現役女子大生のキャバ嬢に学ぶ! プロフェッショナルなトーク術(前編)現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(3/6 ページ)

» 2009年03月03日 07時00分 公開
[森田徹,Business Media 誠]

キャバクラの主役はキャバ嬢ではなく“お客様”

 ここでマイちゃんは、どんな人物なのかを紹介しておこう。彼女は1988年生まれで、血液型はB型。立教大学の2年生で正真正銘の現役女子大生だ。大学1年生の時にいわゆる“家庭の事情”で六本木のキャバクラで働き始め、その後は池袋の店舗を経て、現在は西麻布で働いている。

 経済的な背景もあるのだろうか、彼女はキャバ嬢としてのプロ意識が強い。「やっぱりキャバクラって言うのは普通の接客業よりたくさんのお金をもらえるわけじゃない? だからその分、お客様にはその時間を楽しんでもらえるように意識してる。ほかの女の子がバイト感覚でやるのは分かるんだけど、たまに体入(体験入店)して来て、ブスーッとしてる女の子を見ていると、逆にお客様の方が気をつかっていることもあって、なんだかなぁって思っちゃうよね。お店での主役はお客様であって、キャバ(嬢)じゃないのにね」という。

 そんな彼女にコミュニケーションのコツを聞いたところ、大きく分けて5つになる。それは「雰囲気を合わせる」「ほめる」「会話に相手の名前を入れる」「話題への共感と展開」「色恋でつながった客は続かない」だ。

テクニックその1:雰囲気を合わせる

 彼女は「まず、何よりお客様のタイプに自分を合わせないと」というが、これはどういった意味なのだろうか? 

 「真面目な話が好きな相手には真面目な話を、下ネタが好きな相手には下ネタを――」。このように話題に幅がなければ、キャバ嬢として不特定多数のお客様を楽しませることはできないという。

 早い話が“空気を読め”ということ。それでは、彼女はどうやって客のタイプを把握しているのだろうか? 「5分も話していればなんとなく分かる」そうだ。おそらく場数を踏んで、相手をプロファイリングしておかないとダメだということだろう。

 マイちゃん流にいうと、相手を楽しませるには我を出すのではなく、相手に合わせてキャラクターを変える必要があるということだ。しかし彼女は「自分では意識的に行っていない」とのことだったので、自分をもだませるほど“無理をしている”という空気を出さないのが、会話の秘けつなのかもしれない。

テクニックその2:ほめるとお世辞は違う

 人を「ほめる」ということは自己啓発書や恋愛マニュアルを見ても、よく取り上げられている。なので筆者も「そうだよね」と返すと、彼女は神妙な顔をして「でも私の中では、ほめるのとお世辞とは全然違うの」と説明してくれた。

 お世辞というのは、自分では思っていないようなことを指摘して称賛する行為である。そして、そんなお世辞を言っても、場数を踏んだお客様には見破られてしまうそうだ。例えば格好よくないお客様に向かって「カッコいいですね」といっても、相手は卑屈になるだけだし、逆にお世辞だと勘づかれ傷ついてしまうかもしれない。だから、自分では思っていないようなことを称賛するお世辞は絶対にいけない。

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