デジタル一眼レフ市場での二強であるニコン、キヤノンの争いはもうしばらく続くだろう。しかしここ数年は、キヤノンが自社の製品との競合を恐れたり、性能が向上した製品の投入に一種の「迷い」と「思い切りの悪さ」を垣間見せた一方、ニコンは必死の改善と新製品投入で追撃した、といった展開に見える。
デジタル一眼レフ市場におけるニコンのキヤノン追撃成功は、アサヒビールが「スーパードライ」の大ヒットで一気にキリンビールに追いつき追い越したのとはパターンが異なる、“積み重ね型”の追撃だった。
それにしても、「アサヒカメラ」の「私の愛用カメラベスト20」も1位から4位までニコンが独占する(順に「ニコン F6」、「ニコン D300」と「ニコン F3」が同点、「ニコン F100」)。シェア以上のニコン製品の愛され方は印象的だ。マウントを変えずに古くからのユーザーを大切にして来た姿勢や、機械としての作り込みの良さなど、長年のユーザー思いの丁寧な製品作りが、「愛機」と呼ぶにふさわしいカメラとしての独特のブランド価値を作って来たように思う。
ちなみに筆者は一眼レフに関しては、長年ニコン中心のユーザーだった(Fシリーズは、「F」から「F5」まで使った)が、デジタルが主流になるときにキヤノン中心に切り替えた、カメラ好きのオヤジの1人であることを付記しておく。現在、どちらに肩入れしているということもない。
デジタル一眼レフの製品サイクルは早く、フラッグシップ機なら、かつては10年近い長さの製品寿命だったものが、現在はせいぜい3年だ。短期間での逆転が十分あり得る市場であり、ほかのメーカーにもチャンスはあるはずだ。二強以外の奮起も期待する。
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