自転車版パーク&ライドで、自転車ツーキニストを増やそう郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2009年04月09日 07時00分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

ドーナツ区の宿場駅に商機あり

 自転車ツーキニストを増やすためのヒントは電車通勤事情にある。郊外からの通勤で電車を利用する場合、大きな苦痛となるのが乗り換え。複数路線の乗り入れで乗客がごったがえす駅、イヤですよね。車内は混雑、乗り換えの移動でもまた混雑、くたくただあ。

 All Aboutの「通勤ラッシュの『混雑率』ワースト路線2007」(参照リンク)によると、主な混雑区間は「上野〜御徒町(JR山手線、京浜東北・根岸線)」「中野〜新宿(JR中央線快速)」「錦糸町〜両国(JR中央・総武線)」「大井町〜品川(JR京浜東北・根岸線)」「町屋〜西日暮里(東京メトロ千代田線)」などだ。

 いずれも都心からだいたい5〜8キロ圏。多摩川・荒川・江戸川など大きな川を渡ったあたり、北区、足立区、江戸川区、杉並区、板橋区などである。都心を囲むこれらの区を“ドーナツ区”と名付けよう。ドーナツ区には、郊外と都心とを結ぶ乗り換えの結節点となる駅がある。この駅を“宿場駅”と名付ける。

 乗降客は多いが、駅ビルや駅前商業ビル以外はスルーされるのが宿場駅の宿命。例を挙げると、亀戸駅(JR総武線)、赤羽駅(JR京浜東北線)、駒込駅(JR山手線・埼玉高速鉄道)、北千住駅(東京メトロ千代田線)、荻窪駅(JR中央線)、下北沢駅(小田急・京王井の頭線)、蒲田駅(JR京浜東北線、京急線)、二子玉川駅(東急田園都市線・大井町線)などが当てはまる。

 宿場駅から都心のオフィスまで5〜8キロ、自宅から宿場駅までは5〜10キロくらいか。ならば、宿場駅をツーキニスト増加の拠点にできないだろうか。

赤丸が宿場駅の例(出典:Google Map)

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