米国株高や予想を上回る機械受注、追加経済対策の効果を好感して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年04月09日 16時13分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株高や寄り付き前に発表になった機械受注が予想を上回ったこと、追加経済対策が具体化されたことなどから買い先行となり、いったんは上値の重さを確認するような動きも見られたのですが、後場に入ると明日のオプションSQ(特別清算指数)算出への思惑もあり、先物主導で一段高となりました。節目と見られる8800円を抜けると一気に買戻しも入り一段高となったものと思います。最後まで手仕舞い売りこなして堅調な地合いは続き、節目と見られる8800円を抜けて大幅高となりました。

 「思ったほど悪くない」と言う雰囲気になって来ました。機械受注統計もブレの大きな指標とは言え、予想を上回ったこと、まだ円安効果で前期(2009年3月期)決算を上方修正するものも見られるなど、まだまだ予断は許さないものの底入れ機運も高まっているようです。チャートの形から言っても2007年に2月と7月に「ダブルトップ」の格好で18300円で高値をつけた相場の底と見れば、ちょうど7000円のところで昨年10月と今年の3月で「ダブルボトム」となり、きれいな「シンメトリー」となります。

 底入れ確認となるには日経平均で9300円から500円水準を抜ける必要があり、また、その水準を抜ければ昨年10月の暴落時に買い向かってその後「塩漬け」となった株がほとんどきれいに回転が効くようになって来るのではないかと思います。つまり、逆に言えば空売りで儲けていた人たちが買戻しでフーフー言っている状況であり、この「踏み上げ」の過程で買い方の回転が効いてくるかどうか、そして新たな買い手が現れるかどうかで底入れとなるかどうかが決まるものと思います。

 まだまだ買戻しだけで戻しているような状況ですが、ここで決算動向を見て悪材料出尽くしとなるのか、あるいは今期業績を慎重に見ることで再び下値を見に行くのか日柄的にもはっきりするまではもう少し時間がかかりそうです。ただ、少なくとも今期の第一四半期が終わる6月頃にはある程度本当に「思ったほど悪くない」のか「思ったほどよくはない」のかわかって来るものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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