さようなら、Mr.スポック!――新しい経済学「行動ファイナンス」って何?現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/4 ページ)

» 2009年04月21日 08時00分 公開
[森田徹,Business Media 誠]

行動ファイナンスを“かじる”

 とはいえ、行動ファイナンスは実証重視の学問なので個々の知見がバラバラに観測されているに過ぎず、既存の経済学を発展させ整合的に説明する“それっぽい”モデルというのがプロスペクト理論くらいしかない。

 というわけで、以下には英語版のWikipediaを抄訳した主なトピックを掲載しておくので、これを見ながらいくつかの知見を“かじって”みよう(可能な限り日本語文献へのリンクを貼った)。

ヒューリスティック

プロスペクト理論

損失回避

現状維持バイアス(保守性バイアス)

ギャンブラーの誤謬

自己奉仕バイアス(過度の楽観性)

マネーイリュージョン

フレーミング

フレーミング

メンタルアカウンティング(心理会計)

アンカリング

経済的な振る舞いについてのアノマリー

ディスポジション効果

保有効果(授かり効果)

不公平回避

相互関係

異時点間消費

現在バイアス

モメンタム投資(テクニカル分析)

強欲と恐怖

群衆行動

埋没コストの誤謬

市場価格や収益についてのアノマリー

株式プレミアムの不可解

効率賃金仮説

価格硬直性

裁定取引の限界

配当金の不可解

ファットテール現象

カレンダー効果

 ざっとだけ触れておくと、ヒューリスティックとは発見的問題解決のことで、人が誰しも持っている問題解決のためのおおざっぱなルールのことだ。またフレーミングとは、実際には存在しないのに人が物事を判断するときに勝手に依存する枠組みのことである。アノマリーとは前述の通り、理論に基づかないさまざまな経験則のことである(例外事象)。

 以下ではこれらの中からいくつかを取り上げて行動ファイナンスとの関わりを見てみよう。

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