米国株安や円高を受けて一気に「窓埋め」清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月14日 15時57分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国株が大幅下落となったことや為替が円高に振れたことから売り先行となりました。節目と見られる9300円水準を割り込むと9000円を意識する水準まで下落となりました。戻りの目処を確認した感もあり、ディフェンシブ銘柄などの戻りも一巡した感も強かったことからいったん下値を試す動きになると一斉に調整となるようです。さすがに9000円の節目を意識したところでは下げ渋りましたが押し目を確認する動きが続きそうです。

 未だに「アジア市場が軟調だから・・・」などというコメントが見られます。上海市場や香港市場の動向を見ながら売り買いしている人達の日本市場に与える影響がそんなに大きいと考えているのでしょうか?確かに目先的な動きに一喜一憂する投機家が多いのですが、そうした投機家達は中国市場などよりは自分が睨み付けている株の売り買い株数などの方がよほど気になるのではないかと思います。

 ただ、そうした目先的な需給に振らされるてばかり、あるいは「アジア市場が云々・・・」などといったコメントを気にしているようでは投機も投資もうまくいかないのではないかと思います。大きな流れのなかで、「この水準を抜ければ・・・」と言うことはあり、目先的な動きでもそうした水準と言うのもあるので、目先的な動きに振らされるよりはそうした水準を見極めておいた方が目先的な売買にも有用なのではないかと思います。

 本日の相場でも9300円を割り込むと9100円あたりまでが「真空地帯」であることは上昇する過程で分かっており、その「真空地帯」の水準をしっかりと把握しておけば、アジア市場云々よりもここまでの下落も納得がいくのではないでしょうか?四六時中株価をにらみつけて、目先的な動きに右往左往するのではなく、そうした「節目」を把握しておくことが大切なのです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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