週刊誌のタブー「コンビニ」に挑戦した『週刊金曜日』……次なるターゲットは? (後編)集中連載・“週刊誌サミット”(1/2 ページ)

» 2009年06月05日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 雑誌の休刊や販売部数の減少……名誉棄損訴訟など、出版社をめぐる環境はますます厳しくなっている。そんな状況を打破しようと、“週刊誌サミット”が5月15日、東京・四谷の上智大学で開催された。

 前編の「訴えられたら、訴え返すだけ……これが『週刊金曜日』の生きる道」に続いて、北村肇編集長の話を紹介しよう。

トーハンや日販の悪口を書く

『週刊金曜日』の北村肇編集長

北村肇:(新聞や雑誌の部数が落ち込んでいるが)問題は「ジャーナリズム性」が終わっているかどうかだ。新聞ジャーナリズムまたは雑誌ジャーナリズムは、すでに終わっているのだろうか? ここを議論をしていかないと、新聞も雑誌も“再生”の道はないと考えている。

 単にジャーナリズムが劣化しているのか、本質的に劣化しているのか。それとも何かの要素が原因で劣化していて、それを変えれば本来のジャーナリズムが戻るかもしれない。ここの議論をきちんとすれば、僕は新聞も雑誌もなくならないと考えている。

 ネットを使った「市民記者」とか言われているが、記事を書いてメシを食っている我々と一緒にされてはたまらない! 1日の大半をこの仕事に費やしていて、さらにカネをもらっている。その我々と市民記者が“同列”なんて、とんでもない話だ。ネットがどう頑張ろうと、雑誌がジャーナリズムで頑張れば負けるはずはない。

 さきほど(元木さんから)セブン-イレブンの話が出てきたが、これからはセブン-イレブンだけではなく、トーハンや日販の悪口を書いていく(会場内笑い)。セブン-イレブンの悪口を書いたことで、トーハンが「(『週刊金曜日』を)配布しませんよ」などと言ってきた。いろんなことを言いつつ、最終的に(トーハン側は)認めたが……。

 『週刊金曜日』でトーハンや日販の悪口を書いたらどんなことになるのだろうか? もう僕は楽しくてしょうがない。「『週刊金曜日』は広告を取っていないから、記事を書けるんだ」と言われるが、広告を取っている雑誌も批判記事を書けばいいのだ。もし広告主から文句を言われたら、「もっと記事を書くぞ」「こんなにネタを持っているぞ」「お前の社長の愛人のことも書くぞ」と……勝負を賭けてみれはどうだろうか。

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