2009年、デジタルサイネージのトレンドは?――大型ディスプレイ編デジタルサイネージジャパン 2009(1/2 ページ)

» 2009年06月10日 18時25分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 6月10日から12日まで、幕張メッセで「デジタルサイネージジャパン 2009」が開催されている。デジタルサイネージをテーマに、普及啓発・ビジネスの活性化を目的とする国内唯一の展示会だ。

 デジタルサイネージとは、屋外や交通機関、店頭、公共施設などパブリックな場で、ネットワークに接続したディスプレイに情報を表示する機器やシステムのこと。薄型ディスプレイの低価格化や通信インフラの整備などを背景に、最近急速に普及が進んでおり、販売促進や広告配信のビジネスのあり方を変える可能性があるものとして、期待が集まる分野の1つである。

 ここではデジタルサイネージ2009で見かけた展示内容の中から、比較的大型のディスプレイのものを紹介する。

デジタルサイネージのトレンドは?

人間の身長より高いディスプレイはさまざまなブースで展示されており、もはや珍しくない。大型の液晶/プラズマディスプレイでも、屋外対応が進んでいる

 デジタルサイネージ 2009の会場を回っていて感じたのは、以下のようなトレンドだ。

  1. ディスプレイの大型化
  2. 大型・高機能ディスプレイの屋外対応
  3. ディスプレイの低価格化
  4. タッチパネル対応
  5. 携帯対応

 ディスプレイの大型化は年々進んでおり、高さ2メートル以上ある液晶ディスプレイやプラズマディスプレイが、会場のあちこちで展示されている。

 屋外に設置したいという声が多いため、各社とも防水・防塵対応を進めている。屋外に置く場合、通信方法も課題の1つだ。有線LANを引くわけにはいかないので、無線で通信できる仕組みとして、3GやPHSの通信モジュールを組み込むことになる。

DNP「トールビジョン」は、縦205センチメートル×横56センチメートル(解像度は1920×540ピクセル)の縦長ディスプレイを横に連ねた大型ディスプレイ。プリウスのカタログデータを使い、静止画を動かして見せるデモを行っていた

 「もっと大きなディスプレイを使いたい」「でも高いのは困る」とニーズは相反しているが、両方の声に応えるような製品も出てきている。

 面白かったのが、DNPブースに展示されている「プロジェクタースクリーンバナー」。75×200センチメートルのスクリーンなのだが、2層構成の専用素材を使っているのがポイント。スクリーンの表面にインクジェットプリントを施し、必要な部分だけをはがして、そこに後方からプロジェクタで映像を投影するというものだ。

 価格は30万円台後半〜と、同サイズのディスプレイを購入するよりも、圧倒的に安価。プリント部分を必要に応じて変更すれば、季節や販促商材の変化に柔軟に合わせられる。

プロジェクタースクリーンバナー(左)。横から見ると、裏に小型プロジェクタが設置してあり、鏡に反射させる形でスクリーンに投影しているのが分かる(右)。印刷部分が2層になっており、プロジェクタを投影するハーフトーン部分を好きな形に切り抜けるのがポイント。縦長の長方形を3つ並べた形に切り抜き、スロットの動画を流してパチンコ店で利用する、などの使い方もできる

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