こうした実態を踏まえ、あるコンビニ本部では、レシートを100%渡すことを目標にし、本部の経営指導員(スーパーバイザー)が店舗を巡回してレシート渡しが徹底されているかどうかのチェックをするようにしました。
また別のあるコンビニ本部での取り組みですが、このチェーンでは逆の取り組みを行っていました。
ある時、「いつもレシートを渡されるが、私には不要だ。レシートが不要な客用に『不要レシート入れ』をレジに設置して欲しい」という電話が、客から本部のお客さま相談室にかかってきました。
それを受け、このチェーンでは全店舗のレジに不要レシート入れを設置することにしました。この試みはお客さまの声を生かした事例としては良いのですが、私には本来の目的を履き違えてしまった事例に思えて仕方がありません。
私個人の考えとしては、レシートは100%しっかり渡して持って帰ってもらうことが正しい姿で、客から「いらない」と言われない限りはきちんと渡すべきだと思っています。
確かにいらないレシートを捨てるゴミ箱がある方が便利だと思うかもしれません。けれどもそれをやってしまうと、不要なトラブルを招く危険性を高めるだけのような気がしています。さらに、設置されたレシート入れは、不要のレシートであふれ返っていることも多く、レジの前のイメージが悪くなります。
コンビニはただでさえ従業員と客のコミュニケーションが少ないのですから、単にレシートを渡すだけにしても、コミュニケーションを取れる場面を大事にした方がよいとも思っています。
レシートの違った形の活用では、レシートの下部に「割引クーポン」を印刷しているサービスが徐々に浸透し始めてきました。ただしこれらのサービスを実現するためには、コンビニ従業員によるレシート手渡しが必要不可欠となります。様々なサービスや取り組みを成功させるためにも、レジ接客の基本であるレシート手渡しは徹底してもらいたいものです(笠井清志)。
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