著者プロフィール:森田徹
1987年生まれ、東京大学経済学部経営学科在学中、聖光学院中高卒。現在、東大投資クラブAgents、自民党学生部などのサークルに所属している。投資・金融・経営・政治・コンピュータ/プログラミングに興味を持つ。リーマン・ブラザーズ寄付講座懸賞論文最優秀賞、日興アセットマネジメント主催「投信王 夏の陣」総合個人優勝。主な著書に『東大生が教える1万円からのあんぜん投資入門 』(宝島社)
巨大企業の圧倒的な権威を前にした個人のもとにさっそうと現れ、精緻(せいち)な論理を武器に法廷で敢然と立ち向かい、数百億円の賠償金を勝ち取っていく……。そんなドラマに登場するような弁護士に、あなたは出会ったことがあるだろうか?
升永英俊氏は、そんな物語の中にしか存在しないような弁護士の一人である。升永氏は青色LED訴訟で発明者側代理として一審で200億円の賠償金を勝ち取り、交通事故損害賠償訴訟で無収入の被害者としては史上最高額を勝ち取った実績を持つ、まごうことなき“凄腕弁護士”である。
……とカッコつけた語りで始めてみたわけだが、金融業界や会計士界隈では無駄に有名になっているらしい本コラム。法曹界にまで噂が流れたらしく、所属弁護士数で業界5位のTMI総合法律事務所のシニアパートナーであり、「法曹界では知らぬ者はいない」(法学部の先輩談)升永氏からインタビューのオファーをいただいた。
「そんな大役、筆者が引き受けていいのか?」という疑問は頭の片隅に追いやって、今回はそんな凄腕弁護士の升永氏に「相手を説得するための論理力とは何か?」という話を聞いてきた。民事訴訟で圧倒的な実績を持つ升永氏は、どのような方法論でもって裁判に臨んでいるのか? 普段の会議やプレゼンなどで論理力が必要とされるビジネスパーソンの皆さんのお役に立てれば幸いだ。
裁判とは「論理と論理のぶつかり合いの場」「対峙(たいじ)する相手、あるいは公正な第三者たる裁判官に、自分の主張の妥当性を説得する場」である。
その場では論理に矛盾がないことが重要になるのだが、弁護士や検察官になる人は、その程度のスキルは身に付けているもの。だから裁判の場で、双方の論理に矛盾がないことは当たり前。どのような論理を組み立てていくかが、戦略上重要になってくるという。
その戦略の核となる方法論を升永氏に問うと、「常にフェアであること」という言葉が返ってきた。その言葉は、具体的には次の3つのポイントを守ることだという。
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