二大政党が描く日本の将来像は――自民党×民主党 政策公開討論会(1/4 ページ)

» 2009年07月02日 10時40分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 言論NPOは7月1日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテルで「自民党×民主党 政策公開討論会」の第1日目を開催した。討論会は7月1日、2日、7日、8日、9日の計5日間行われ、自民党、民主党所属議員が9テーマで議論を行う。

 第1日目のテーマは「将来ビジョンと政権担当能力」で、出席議員は自民党が園田博之政務調査会長代理、民主党が長妻昭政策調査会長代理と福山哲郎政策調査会長代理。その冒頭で各議員が語った日本の将来ビジョンについて詳しく紹介する。

左から園田博之氏、長妻昭氏、福山哲郎氏

自民党が描く日本の未来像は

自民党の園田博之政務調査会長代理

園田 将来ビジョンや日本の社会のあり方を聞かれた時、私は将来大きくなる、ケンカをしていくという必要はないのではないかと基本的には思っています。国際環境も国内経済のあり方も大事ですが、一番問題なのは少子化問題だと思っています。今後の国のあり方を考えるに当たってこれをどう克服できるか、できない場合はどうなるのかということ(を考えること)が最大の課題なので、将来に向けて具体的な政策を1つ1つ立てて手続きしていくことが必要なのではないかと思います。

 それから「小泉さんが行った5年間の改革をどう考えるのか」とよく言われます。今日、小泉時代とは経済環境が全然違っていることもあり、「やりすぎだったのではないか」という声が多く聞かれます。私は小泉改革は、「1つの型にはまってやってきて日本の発展を阻害していた、戦後日本の社会構造、行政のあり方をなるべく壊す」ということをやったという意味では高く評価されるべきだと思っています。

 ただ、小泉さんに「壊した後にどういうものを建設しようとしているのか?」とお聞きしたことがあるのですが、お答えいただけませんでした。小泉さんは、「自分の役目は壊すことにあるわけで、作ることはその後考えればいいのではないか」と考えられたのだろうということです。「それは決して乱暴でも何でもない」と私は思っていて、小泉時代のいくつかの大改革、必要ではないものを壊すという意味では相当な成果があったのではないかと思います。

 問題は今日、将来が非常に見えにくい状況になっている中で、小泉さんがやったことの中でも修正せざるをえない部分がいくつか現実に出てきていることです。「官から民へ」「国から地方へ」という方向を変える必要は基本的にはないと思いますが、具体的に1つ1つ見ると、規制緩和のあり方も部分的には見直さないといけない部分も出てきていますし、いくつか細かい点では修正をしながら将来に向けた姿を作らなければいけないのではないかと思います。

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