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» 2009年07月02日 10時40分 公開

二大政党が描く日本の将来像は――自民党×民主党 政策公開討論会(4/4 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]
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ナショナルミニマムの哲学が重要

民主党の長妻昭政策調査会長代理

長妻 「将来どういう国を目指すのか」ということですが、まず政府のあり方としては「生活者の立場に立つ、国民に奉仕する政府」ということです。今、国のあらゆる制度が提供者、業界団体、あるいは役所の立場に立った制度になっていて、利用者、消費者あるいは患者さん、あるいは年金で言えば受給者のような受け手の立場から運用されていません。それを下手(しもて)から180度変えて、生活する方の立場に立つ制度にすべて組み替えていくということが政府のあり方として大きく変わるところです。

 社会のあり方としては、先ほど福山さんからも話がありましたが、今日本はセーフティネットが不十分だと考えています。サーカスに例えると、安全ネットが穴だらけで、落ちたら即死してしまうため、空中ブランコに挑戦できないという状況です。その穴だらけのセーフティネット、年金、医療、介護、障害者福祉などをきっちり整備していくことが大事です。

 そしてその時に「ナショナルミニマム」という1つ大きな哲学が重要になります。憲法25条では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と条文にありますが、具体的にどのレベルが最低限度の国家として保証しなければいけないナショナルミニマムなのかということを、骨太方針で変えたり、社会保障費を2200億削らなければいけないという時にその場で決めたりというように、安易に変更していくことはあってはなりません。

 セーフティネットをきっちり張りめぐらせた上で、今、市場というのが悪者になっているきらいがありますが、公正な市場で徹底的に市場原理で自由競争をしていただく。このセーフティネットが不十分なまま自由競争をしたことで、竹中・小泉改革というのは問題が噴出したと思っています。その前提としては機会の平等ということで、教育も含めて皆さんが(同じ)スタートラインに立てるようなこともセーフティネットの大きな役割だと考えています。

 もう1つは、我々も浪費の問題や無駄遣いの問題に取り組んでいますが、無駄遣いだけ削れば将来の展望が開けるというわけではありません。収入を増やす算段を考えなければいけません。先ほども福山さんから話が出ましたが、私は環境医療技術立国を目指すべきであると思います。少子高齢化ということはマイナスにとらえるべきではなくて、これから医療介護がビッグビジネスになっていくということで、そこに集中的に研究開発投資をして革新的な技術を切り開く企業をどんどん生んで、世界でその企業が利益をあげて日本で法人税を払っていただく、世界に貢献する日本になるというようなことです。今の環境を制約と見るのではなくて、チャンスと見て攻めて行くということも重要だと考えています。

 一般論として「民主主義の国同士は戦争をしない」とほぼ言えるのではないかと思います。そういう意味では戦後、日本は民主主義の国として世界の中で頑張ってきたわけなので、これからは専守防衛の国として世界の国々に民主主義を広めていく、また、発展途上国にも通用するような敗戦から立ち上がり目覚ましい高度経済成長を遂げたモデルがかつての日本にはあったわけです。そういうものも含めて世界の国の民主主義に貢献して、世界平和を日本がリードする、実現していくということを最終的な目標として、誇りを持って実行できる国にしていきたい。

 そしてもう1つ気になるのは今35歳前後の団塊ジュニアと言われている方々、人口ピラミッドを見ると非常に割合の大きい方々です。税金や社会保障費を払っていただくことで、お年を召した方を支えるための日本の大黒柱となる世代ですが、民主党の鳩山代表も党首討論で申し上げましたが、20代、30代の死因トップは自殺です。先進7カ国でそんな悲しいことは日本だけで、しかも20代、30代の10万人当たりの自殺率も先進7カ国で一番高い。そして今年の3月、4月から毎日100人以上が自殺をされておられる。こういうことも含めて、セーフティネット、ナショナルミニマムの哲学を持って、社会保障、安全保障の2つの保障をきっちり確立した誇りを持てる国にしていきたいと考えています。

民主党資料

討論会はニコニコ生放送でも中継

 言論NPOでは、7月2日に経済政策、財政政策、7月7日に医療・年金・介護政策、雇用政策、7月8日に環境政策、農業政策、7月9日に外交・安全保障政策、国と地方についての討論会を開催する。いずれの回もニコニコ生放送で中継されるほか、言論NPOのWebサイトで詳細な報告がされる予定だ。

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