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» 2009年07月02日 10時40分 公開

二大政党が描く日本の将来像は――自民党×民主党 政策公開討論会(3/4 ページ)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

民主党が描く日本の未来像は

民主党の福山哲郎政策調査会長代理

福山 園田先生もおっしゃられたように、日本は21世紀に入って少子高齢化という大きな変化が来ています。それからグローバリゼーションという国際化の波、そして温暖化によって化石燃料から非化石燃料へのエネルギー転換、ライフスタイルの転換というような変化が来ています。自民党の悪口を言うわけではありませんが、その中で自民党が官僚組織と一緒に日本の豊かさを作り上げてきたシステムがそろそろ、というより大分前から機能しなくなっているのではないか、というのが我々の基本的な問題意識です。2大政党、小選挙区制度のもとで、我々が新たな変化に対応できるように予算の作り方、官僚と政治のあり方、地方のあり方などを組み替えていく、そして21世紀の課題に対応していく役割を担わなければいけないのではないか、という問題意識を持っています。

 そのためには公正さであるとか、よくきずなという言葉が使われていますがインクルージョン※みたいな形をもう一度日本に復活させるとか、ライフスタイルを変えていくとかいろんな可能性があると思います。

※インクルージョン……公的扶助や職業訓練、就労機会を提供することなどによって、社会から排除されたり、摩擦を受けて孤立した人を助けて社会の中に組み込み、地域社会の構成員として支え合うようにすること。

 非常に抽象的な表現で恐縮ですが、その中で国民1人1人の幸せを後押しするような政府の役割が必要なのではないかと私は思います。国と国民とがつながるのに遠過ぎるなら、(地方)分権をして、地域と国民とが直接つながっていくというように、いろんな形で国民の幸せを後押しする役割が政府に求められてきているのではないかと思います。

 当たり前の話ですが、未来のことを語る時には現状認識が必要です。今、112万世帯が生活保護を受けています。捕捉率は大体20%と言われているので、約400万世帯が生活保護に当たる形の生活をされている。年収200万円以下の人は1000万人を超えました。非正規労働者は1800万人です。貯蓄ゼロの世帯が1980年には5%だったのが今は22%、約3000万人の方が貯蓄ゼロになっています。「日本ではみんなが中流社会だ」ということはもう幻想になりました。

 その中で残念ながら医療、介護、年金(を支えるシステム)の底が抜けたということで、国民の不安が広がっています。そういう状況の中で、まずセーフティネットをいち早く整備をしないことにはGDPの寄与率の高い消費行動につながらない、将来の安心にもつながらない、投資にもつながらないということで、セーフティネットを整備することが焦眉の課題だと私たちは思っています。

 さらに申し上げれば、小泉政権下で可処分所得がどんどん削られてきた中で、若干可処分所得を増やすような政策をとっていかなければならないと思います。そして、(地方)分権をいち早く仕組みとして整えていきたいと思っています。その方法としては、非常に扇情的な言い方をすれば「税金のムダ使いをやめる」という言い方になりますが、もう少し抑制的に申し上げると「予算を総組み換えしていく」ということです。

 富の再配分を、今までの縦割りの官庁のやり方から、必要に応じて優先順位を付けるやり方に組み換えていきたいと思っています。一般会計と特別会計を合わせた形での予算の再配分の仕方をチェックし、事業仕分け※をし、いろんな形の予算の配分をもう一度(見直す)。これは自民党政権が良いとか悪いとかではなくて、ある種のシステムの中でしがらみから官僚も仕方なくやってきた状況がたくさんあると思うので、政権交代をきっかけにそのようなことができるような状況を作っていきたいと思います。

※事業仕分け……国や自治体の予算事業1つ1つについて、その事業が必要かどうかを議論すること。
民主党資料

 セーフティネットを整備していき、将来に若干の希望を持ってもらう。可処分所得を上げることによって消費をうながしていく。そして国際社会においてはグローバル化に対応していくための方策をとっていく。そのためには内需転換型の経済にチェンジしていきたいと思いますし、温暖化対策を中心とした市場創造、マーケット拡大、雇用の創出などによって日本のアドバンテージを伸ばしていくような形の技術革新をうながしていきたいと思っています。

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