パナソニックとパナソニックエコテクノロジーセンターは7月2日、レーザー光を用いてテレビのブラウン管を溶かして切断するリサイクル技術を開発したと発表した。これにより、処理能力が従来工法に比べて3倍に向上したという。
ブラウン管は、前面部と背面部とでガラス成分が異なっており、リサイクルするにはそれぞれが混じり合わないように所定の位置で分離する必要がある。従来は、前面部と背面部の接合部分を金属ワイヤーで囲み、通電加熱して分割する熱線方式を用いて処理してきたが、この方式では加熱時間が必要なほか、局所加熱で破断させるために分離位置がばらつき、手作業による修正が必要だった。
これに対し新方式では、レーザー光の焦点を常にガラス表面に当てる加工面ならいヘッド機能と、レーザーヘッドとガラス表面の相対速度に応じて一定エネルギーをガラス表面に照射する照射エネルギー制御で、安定した溶かしての切断を実現。高速で人手による修正が少ない処理が可能となり、1台あたりの処理時間は50秒と、従来方式の3倍の処理能力を実現した。
また、サイズ(14〜36インチ)やアスペクト比(4:3や16:9)を自動計測してブラウン管の種類を判定し、その機種に適したレーザー照射条件(38種類)で処理する技術も開発して全自動化を図ったという。
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