早稲田大学商学部卒業、旅行会社の営業(添乗員兼)に始まり、リサーチ会社、シンクタンク、広告会社、ネットベンチャー、システム開発会社などを経験。2001年、(有)シャープマインド設立。現在、「マインドリーディング」というコンセプトの元、マーケティングと心理学の融合に取り組んでいる。また、熊本大学大学院(修士課程)にて、「インストラクショナルデザイン」を研究中。
私立中高一貫の品川女子学院創業者のひ孫であり、前校長の娘である漆(うるし)紫穂子氏は、大学卒業後、都内の別の学校の教員になっていました。しかし、品川女子学院が危機的状況にあることを聞いた漆氏は、1989年、28歳の時に同学院に入り、たった1人からの改革に着手します。
当時の品川女子学院は、中等部への入学応募者数がわずか28人。1学年の生徒数が5人という時期もあり、まさに廃校寸前でした。しかし、学校改革に成功した今、生徒数は1246人(2008年現在)となり、中等部への入学応募者数は約1800人と、20年前の60倍へと増加しています。
同学院に入ったばかりのころ、漆氏が同僚などに現状を聞くと、皆、異口同音に「もう手遅れだよ……」と言ったそうです。誰もが「同学院のどこが良くないか」を指摘することはできたのです。しかし、問題点が分かっていながらも、「あきらめモード」に入っていたのです。このため、「改革の必要性をいくら訴えてもなかなか動いてくれなかった」と、漆氏は当時を回想します。
孤軍奮闘する毎日の中で、漆氏は「人が動かない理由」には以下の4種類があることに気付きます。
内部にいると、厳しい現状でさえ日常になってしまい、危機感を失っていきます。
賛意を表明してしまうと、失敗したときに自分の立場が悪くなるから。現場での協力はするが、賛成はしないという人もいました。
現状を変えるのが面倒なので、あれやこれやとうまくいかない理由を挙げてやらないで済まそうとしました。
改革着手当時は20代とまだ若く経験も浅い漆氏。「校長の娘という立場を盾に偉そうなことを言っている」と感じる人がいました。
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング