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» 2009年10月27日 08時00分 公開

アニメを“絵空事”にしないために――『サマーウォーズ』のロケハン術 (5/6)

[堀内彰宏,Business Media 誠]

盛り上がる上田市

岡本 上田市は『サマーウォーズ』で大変盛り上がっているらしいですね。JR上田駅前にポスターが貼られたり、駅前のイトーヨーカドーに「『サマーウォーズ』の里 信州上田へようこそ!」という垂れ幕が掲げられたりと。

JR上田駅前(左、写真:山村高淑)、JR上田駅前のイトーヨーカドー(右、写真:山村高淑)

岡本 砥石城に上っていく途中にあるトイレには、「サマーウォーズの伊勢山へようこそ! 夏希のふるさと陣内家の設定場所はここです」という貼り紙もあります。

 こういうことが自然発生的に起きているのがすごいなと思いますね。市役所がやっているわけではなく、「こういうことをやらせてもらえないか」と市民の方からお願いされるのです。

砥石・米山城跡駐車場にて(写真:山村高淑)

岡本 これらの写真は北海道大学の山村高淑先生が実際に訪れて撮ってこられたのですが、そういったいわゆる“聖地巡礼”と呼ばれる行為も上田市で起こっているんですよね。

 そうですね。映画のロケ地になることは非常に多いのですが、「目に見えて観光客が増えた」とは聞かなかったんですね。「増えたかなあ」程度だったのですが、『サマーウォーズ』の場合は誰に聞いても「増えていますね」とか「すごく人が来ている」と言いますね。街を普通に歩いていても、普段見ない若い子たちがたくさん駅前にいたり、ポスターが貼ってあるところで写真を撮っていたりと、すごい効果というかびっくりしていますね。ここまでの効果があるとは思わなかったです。

岡本 巡礼されるのはどんな方が多いですか?

 10代後半から30代前半の若い人が多いですね。「意外だな」と思ったのは、小さい子を連れて家族で来る人たちもちょくちょく見ることです。

 また、『サマーウォーズ』ゆかりの地を示した「信州上田こいこいマップ」というパンフレットがあるのですが、これは市民の有志が集まった感動☆プロジェクトという団体が制作したものです。「上田が舞台の映画が上映されるのであれば、ぜひ何かやらせてほしい」といった、上田を盛り上げたいという気持ちの中で自然発生的に生まれたものです。

岡本 『サマーウォーズ』が上田に与えた影響ってありますか?

 ロケハンの時に細田さんに「上田で朝顔をよく育てていたりするんですか?」と聞かれたのですが、実際上田ではそういった習慣はないんです。

 朝顔は映画の中で非常に印象的に描かれているのですが、上田市が舞台なのに上田市では実際には育てられていない。でも、その風景をいいと思って、映画に近づけようとして、朝顔を植えるというケースが出ているのはすごく面白いと思いますね。

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