米国株安や金利上昇懸念から売りがかさみ大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年10月27日 16時02分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10212.46円 ▼150.16円
売買高 19億1803万株
日経平均先物 10250円 ▼110円
売買代金 1兆3772億円
TOPIX 895.48 ▼15.24
値上がり銘柄 251銘柄
東証マザーズ指数 447.04 ▼3.14
値下がり銘柄 1345銘柄
日経ジャスダック平均 1221.43円 ▼4.21円
変わらず 92銘柄
騰落レシオ 90.41% ▼2.59%

日経平均

米国株安や金利上昇懸念から売りがかさみ大幅下落

 米国市場が大幅下落、商品市況も軟調となったことなどから売り先行となりました。為替は円安傾向にあるのですが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も金額ベースでは売り越し(株数ベースでは買い越し)と伝えられたこともあり、寄り付きの売りが一巡した後も買い気に乏しく、戻りの鈍さに嫌気して見切り売りもかさむという状況で軟調、大幅安となりました。商品市況が軟調となったことから商社株などが安く、米国で金融株が売られたことから銀行株が安く、金利上昇懸念もあって不動産株が安いなどほぼ全面安となりました。

 好調な決算を発表して買われるものも散見されましたがどちらかと言うと芳しくない決算には敏感に反応、好調な決算は出尽くし感で売られることもあるなど持高調整の売りも絡んで買い気に乏しい展開となりました。後場はご他聞に漏れず方向感はなく、昼の間に発表になった海運株の芳しくない決算への反応もさえない相場を象徴するかのように限定的となりました。銀行統合の話題も他の銘柄に波及することもなく、結局、最後まで買い気に乏しい展開は変わらず、見切り売りもあって安値圏での引け、大幅安となりました。

 小型銘柄も軟調なものが多かったのですが、主力銘柄ほどの下げとはなりませんでした。買われていなかった分、見切り売りも限定的という感じで東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均と揃って軟調となりました。先物も前場や後場の寄り付きからしばらくの間はまとまった売り買いも見られましたが、大きく指数を動かすようなこともなく目先筋の売り買いが中心で方向感のない相場に付き合うような状況でした。

 企業決算の発表が本格化するなかで景気回復、業績が回復傾向にあることは確認できているのですが、このトレンドが続くのかどうか、新政権の政策からは読めないということで、最後まで買い切れないものと思います。ここまでは景気対策もあり持ち直しましたが、この先、公共投資も景気対策も見えず、逆に予算の凍結など景気の腰を折るかのような施策が見えることから好調な業績が発表されても最後まで付いていけないということなのでしょう。ただ、予算の削減や事業の見直しがあったとしても、「環境」と言うキーワードは外れないものと思われ、「環境」や「新興国」に関連するものは折に触れ取りざたされるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 再び遅行線が日々線を割り込みました。日々線も雲を抜け切れずに転換線のサポートを確認するような格好となりました。ここで一気に雲を抜け、遅行線が日々線を抜けて「三役好転」となるかと期待されましたが、それよりも遅行線が日々線に上値を抑えられながら調整、日々線が基準線のサポートを確認するような展開となって来るのかもしれません。RSIは上値余地があるようにも見えますが、高値圏からの調整を示唆しており、ストキャスティックスも同様に調整を示しており、日々線が雲を抜けて「三役好転」となるのはもう少し先になりそうです。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が雲に、日々線は基準線に上値を押さえられ再び下値を探る展開となりました。RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは既に調整を示唆しており、下値を探る展開はもう少し続くものと思います。遅行線が日々線に絡むところで動きが出るのかあるいは遅行線と日々線が「底−底」一致の格好で下値を確認することになるのかもしれません。

円相場

NYダウ

 雲にかかるところで上値が重くなりました。堅調ではあるのですが、遅行線が日々線の高値の日柄にあり、「天−天」一致となる可能性もありそうです。RSIには上値余地はあるもののストキャスティックスも高値圏、日々線も雲の下落のところで上値を押さえられていることもあっていったん調整となるのかもしれません。逆に、ここで堅調な展開が続けば日々線が雲の上限を目指すような動きとなって来るのでしょう。

銘柄ピックアップ

悪い決算発表には敏感に反応

三菱商(8058) 1962 ▼113

 海外市場で原油や貴金属など商品市況が軟調となったことから、大幅安となりました。商品市況の上値が重くなってもここまでは値持ちも良かったのですが手仕舞い売りもかさんだようです。

日 立(6501) 306 △7

 ほぼ全面安となるなかで堅調となりました。昨日の引け後に2010年3月期の連結最終損益が赤字幅が縮小、2009年7−9月期は営業黒字に転換したと発表したことから買い気配で始まるなど一時大幅高となりました。

アステラス薬(4503) 3340 ▼240

 昨日の引け後にリウマチ薬の開発を中止すると発表したことに加え、外資系証券が同社の主力商品の後発薬がシェアを拡大しているとして投資判断を引き下げたこともあり大幅下落となりました。

中央三井(8309) 367 △27 、 住友信(8403) 500 △9

 米国金融株が軟調となったことなどから見切り売りがかさみ軟調となっていたのですが、14時30分頃、両行の統合が報じられ、好感する買いが入り最後は売買停止となりましたが、堅調、中央三井は大幅高となりました。

積水化(4204) 541 △31

 昨日の引け後に2009年4−9月期の連結最終損益が従来の赤字予想から原料コストの低減や液晶パネル向け材料の回復などから黒字となったようだと発表、大幅高となりました。

大平金(5541) 712 ▼46

 ニッケル価格の下落を嫌気した売りや外資系証券が「売り」でカバレッジを開始したことが嫌気されて売られ大幅安となりました。

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