で、あなたはナニができるの? 「成長したい!」だけではダメな理由ちきりんの“社会派”で行こう!(1/3 ページ)

» 2009年11月16日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

「ちきりんの“社会派”で行こう!」とは?

はてなダイアリーの片隅でさまざまな話題をちょっと違った視点から扱う匿名ブロガー“ちきりん”さん。政治や経済から、社会、芸能まで鋭い分析眼で読み解く“ちきりんワールド”をご堪能ください。

※本記事は、「Chikirinの日記」において、2005年9月17日に掲載されたエントリーを再構成したコラムです。


 やたらと「成長したい!」と言う人がいます。そういう人に「成長して、何がやりたいの?」と聞くと、「えっ?」という顔をされたりします。

 成長は手段に過ぎません。なのに成長の目的が明確でない人まで「成長したい」と言う。これは「特に目的はないけど、とりあえずお金を貯めたい」というのに等しい。死ぬ間際に貯金が最大化されれば幸せなのでしょうか。

 成長も同じです。死ぬ際に「すごく成長した自分」が感じられれば満足でしょうか? 家を買いたいとか旅行に行きたいとか、目的があって初めてお金を貯めるプロセスは意味を持ちます。成長も同じ。「成長して●●ができるようになりたい」というのがあって初めて、成長することが意味を持つのです。

“インプット”と“アウトプット”のバランス

 ちきりんは常日頃から、“インプット”と“アウトプット”のバランスを意識しています。例えば人のブログを読むのはインプットで、自分がブログを書いて発信するのはアウトプット。勉強はインプット、得た知識を使って仕事をするのがアウトプット。野球の練習はインプットで試合がアウトプット。

 人付き合いも同じ。知らない人と新たに知り合い、分かり合って、知人や友人を増やしていくのはインプットで、気の合う友達と飲みに行ったり旅行に行って楽しむのはアウトプットと言えるでしょう。

 ちきりんは、このバランスを意識的にコントロールしています。「今は、知らない人ともどんどん関わりをもって世界を広げるべき時期」とか「今は、仲のいい友達とまったりのんびり過ごすべき時期」というように。

 これを意識するようになったのは、一度働いてから大学院に行ったからです。大学を卒業してすぐに大学院に入学するような人だと、「小学校からずっとインプット」なのであまり意識しないでしょう。でも、一度働いて(=アウトプットの場)から大学院(=インプットの場)に行くと、「このインプットは何のためにするのか?」と強く意識するようになります。そのころから「アウトプット目標がないのに、インプットに時間やお金をかけるのはバカげている」と思うようになりました。

 昔は英語も“とりあえず”勉強していましたが、今は“必要な分だけ”勉強する。今の仕事や趣味(一人旅)に必要な英語力だけ獲得・維持できればいい。それ以上のインプットはちきりんにとっては“無駄な”インプットです。

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