昨日とは反対の動きで後場から一段高、昨日の下落を取り戻して大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年12月11日 16時00分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10107.87円 △245.05円
売買高 27億2769万株
日経平均先物 10100円 △270円
売買代金 2兆0510億円
TOPIX 888.57 △14.67
値上がり銘柄 1244銘柄
東証マザーズ指数 398.37 ▼0.55
値下がり銘柄 345銘柄
日経ジャスダック平均 1143.44円 △3.52円
変わらず 96銘柄
騰落レシオ 79.39% △6.23%

日経平均

昨日とは反対の動きで後場から一段高、昨日の下落を取り戻して大幅高

 米国市場が堅調となったことに加え、為替が円安に振れたことから買い先行となりました。先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出に絡む買いが入ったことや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きから買い気配で始まるものの散見されました。寄り付き買いが一巡した後も輸出株を中心に堅調な地合いが続き方向感はないものの値持ちの良い展開となりました。

 後場は円安が進んだことや中国での経済指標が好調と伝えられたことで世界的な景気回復が裏付けられ、その結果日本株の出遅れ感が目立つというよなこともあり、一段高となりました。その後も昨日とはちょうど反対に、株が買われて円安が進み、円安が進むとますます株が買われて円安が進むというような動きになりました。ベトナムの高速鉄道に日本の新幹線が採用されるというニュースなどもあり、アジア市場に強い銘柄などを中心にほぼ全面高、指数も昨日の下げ幅を取り返して大幅高、高値引けとなりました。

 小型銘柄も高いものが散見されましたが、主力銘柄の値動きが良く、小型銘柄は蚊帳の外と言う感じで東証マザーズ指数は軟調、二部株指数や日経ジャスダック平均も小幅高に止まりました。先物は朝方はまとまった売り買いが見られましたが、指数への影響は限定的となっており、後場は散発的にまとまった買いが入り指数を押し上げる要因となりました。先高期待もあって、ヘッジ売りの買戻しなどもあったものと思われます。

 米国では輸出が好調、中国では輸入が好調と世界経済の回復が確認されています。日本も企業業績の面からは回復も見られるのですが、この先の行き先がはっきりみえないことで、出遅れてしまっているものと思われます。日本が蚊帳の外とならないような政策が期待されますが、「子供手当て」が云々、「高速道路無料化」がどうの、などと言っているようでは世界に伍して行くのは厳しいかもしれません。ただ、個別企業では方向性がはっきりとしている企業が多く、先が見えるところから物色されてくるものと思います。新興国を中心とした世界経済の拡大にしっかりと乗り切れている企業はまだまだこの先が期待されると思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 遅行線が日々線にサポートされて日々線は一気に雲の中まで突っ込んで来ました。RSIはまだ上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整が続いており、底堅いながらも雲の中での日柄調整となるか、雲を抜けて「三役好転」となったあとに雲サポートを確認するような動きとなるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線にサポートされた格好となりました。ただ、まだ日々線は雲に上値を押さえられており、RSIには上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、日々線が雲に押されながら調整が続くのではないかと思います。下値も遅行線が日々線にサポートされて底堅いのでしょう。

円相場

NYダウ

 基準線や転換線にサポートされて底堅い展開となっています。RSIは方向感はなくストキャスティックスはまだ下げ足りないので、底堅さは見られるのでしょうがまだ戻りを試す展開にはならないものと思います。値幅での調整が終わり、日柄の調整が必要ということなのだと思います。

銘柄ピックアップ

円安を受けて輸出株が堅調

富士重(7270) 386 △9

 円高一服で輸出株が堅調となるなかで、中国での現地生産に向けて本格的な検討に入ったと新聞で報じられたことが好感されて買われ堅調となりました。

パナソニック(6752) 1280 △54

 三洋電機(6764)に対するTOB(株式公開買い付け)が終わり、今後の環境分野での事業拡大を期待する買いや円安を好感する買いが入り大幅高となりました。

王将フード(9936) 2460 ▼30

 10日の引け後に11月の既存店売上高が前年同月比で28カ月連続で増加、19.5%増となったと発表、昨日の相場で逆行高となったことから、利益確定売りに押されて軟調となりました。

トヨタ(7203) 3750 △100

 円高一服、円安に振れたことを好感する動きに加え、北米で多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調ということで、カナダ工場で生産能力を倍増、フル稼働体制に入ると伝えられたことが好感され堅調となりました。

日車輌(7102) 551 △49 、 川 重(7012) 235 △14

 後場に入って、ベトナムの高速鉄道が日本の新幹線を採用すると伝わり、新幹線車両などでの事業拡大が期待される両社に買いが入り大幅高となりました。

三菱UFJ(8306) 455 ▼7

 市場全体が堅調、指数が大幅高となるなかで軟調となりました。12月下旬に実施が予定されている大型の公募増資の新株の発行価格が来週前半(14日〜16日)に決定することから、いろいろな思惑から売られたものと思われます。

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