慶應義塾大学商学部卒、ワシントン大学留学。消費財の海外マーケティング、インターネットマーケティングを得意とし、ソニー、アマゾンドットコムなど複数のグローバル企業で常に日本文化と海外文化の狭間に立ってきた。仕事、プライベートで海外40都市以上に居住+旅行する大の海外好き。現在は世界最大のオンライントラベル会社エクスペディアの日本法人のマーケティング責任者で、旅行癖がさらに加速中。
失業問題やボーナスカットのニュースが世の中をにぎわす昨今、デフレも進んでいるとあって生活に必須ではないラグジュアリー消費には財布のひもが固くなりがちだ。しかし、それでも行きたいのが海外旅行。毎日のパターン化した生活から抜け出して、日常とは異なる食べ物や人、文化や空気に触れてリフレッシュしたいという人は多いだろう。
最近、円高を伝えるニュースを多く聞くようになっているが、為替動向は海外旅行を計画している人にとって非常に重要なこと。米ドルやユーロについては日々のニュースでどう動いているのかを何となく認識できるが、世界にはまだたくさんの通貨が存在している。どの通貨に対して、どれくらい円高になっているのだろうか。
現地通貨に対して円高であるほど、現地での食費やお買い物、交通費などがお得になるのだが、実は現地通貨で仕入れをしているホテルの宿泊費も為替に比例して安くなる。例えば、旅の総予算が30万円で、そのうち飛行機10万円、ホテル10万円、現地出費10万円とすると、3分の2にあたる20万円の予算が為替の影響を直接受けることになる。
日本人の主要渡航先となる国の為替の動きを見ると、どの通貨も2008年9月あたりから急速に円に対して安くなっており、ほとんどの通貨では昨年の高値と比べて少なくとも2割以上円高になっている。2008年末から2009年にかけて底をつけ、しばらく円安に動いた後、3月以降はそれぞれの通貨で独自の動きを示すようになっている。
対米ドルチャート(上図)と同じように円高となっている通貨がいくつかあるが、中でも円高率が高いのは英国ポンド、トルコリラ、メキシコペソなど(12月11日時点)。しかし、昨今流行の安近短旅行とはほど遠いお国なので、これだけ円高になっていても、実際の旅行費がかなりかさんでしまうのは否めない。それでも、前からこれらの国に行きたいと思っていた人にはチャンスと言えるだろう。
また、2009年最高値と比べて、最も円高率が高いのは米ドル(14%)で、香港ドル(13%)や中国元(13%)が続く。これらの国は、もともと航空券やホテル代金が比較的安いこともあるので、円高なら旅行に行くといったモチベーションにつながりやすいのではないだろうか。
順位 | 通貨 | 国名 | 12月11日(円) | 2009年最高値 | 2009年比円高率(%) | 2008年比円高率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | USD-JPY | 米国 | 88.94 | 101.04(4月10日) | 14% | 24% |
2 | HKD-JPY | 香港 | 11.48 | 13.00(4月4日) | 13% | 22% |
3 | CNY-JPY | 中国 | 13.03 | 14.74 (4月7日) | 13% | 23% |
4 | GBP-JPY | 英国 | 144.92 | 163.66(8月7日) | 13% | 52% |
5 | TRY-JPY | トルコ | 59.49 | 66.48(8月7日) | 12% | 60% |
6 | MXN-JPY | メキシコ | 6.89 | 7.65(4月13日) | 11% | 60% |
7 | PHP-JPY | フィリピン | 1.93 | 2.11(4月7日) | 10% | 40% |
8 | INR-JPY | インド | 1.91 | 2.09(6月5日) | 9% | 41% |
9 | TWD-JPY | 台湾 | 2.76 | 3.01(6月5日) | 9% | 27% |
10 | NZD-JPY | ニュージーランド | 64.55 | 69.50(11月1日) | 8% | 32% |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング