要するに、今までのように日本という市場を開放することなく、アジアというマーケットを重視するという姿勢では、結局は「輸出」という発想に落ち着いてしまい、日本とアジアの経済関係のシフトも日本の需要構造の変革ももたらすような戦略を策定することができないのではないか。
その一方で企業は、輸出というより海外進出によって乗り切ろうとするところが増えるだろう。つまり、日本で作って海外に売るというこれまでのパラダイムを、適地生産に切り替えるということである。その意味で、日本企業は、海外展開に耐えうる力をいろんな意味で貯えようとしている。こうした状況下では、日本企業にとって日本国内での雇用の維持は最重要課題ではなくなる。それはキリンとサントリーの経営統合構想を見ていても分かることだ。
日本の経済のパラダイムシフトをどう描くか、それこそ民主党政権の今年の最大の課題であると言っても過言ではない。
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