明日から始める! 初めての自転車通勤(3)いよいよ自転車に乗る、その前に(4/6 ページ)

» 2010年01月05日 12時30分 公開
[西幡治美(金森マーケティング事務所),Business Media 誠]

パンク対策

 万が一のために、タイヤチューブやポンプも装着したいところだ。慣れれば10分もかからずにパンクのケアができるようになる。休日に「チューブ交換練習会」等をやってくれるバイクショップも多くあるので、積極的に参加しておきたい。「自分の手足のように」自転車を操れるようになれば、ますます自転車が楽しくなってくる。

 空気入れのバルブは、米式(シュレーダー)/仏式(ブレスタ)/英式の3種類ある。1台目はラクに空気を入れられる床置きタイプを選びたい。圧力メーターが付いているものを選び、タイヤの気圧を見て空気を入れよう。「サーファス フロアポンプ」3990円(東急ハンズ渋谷店)


 遠距離を走るときには、持ち歩きに適した小型軽量のポンプも持っていきたい。「ディズナ フルート」1890円(東急ハンズ渋谷店)


いざ、公道へ!

 装備が整ったら、いざ、公道を走ってみよう。できれば通勤時と同じスタイル、同じ荷物を持って走るのが望ましい。実際に走ってみると、現代の日本の車道が、いかに“恐ろしい”場所かが分かると思う。

 基本的に自転車は「軽車両」なので、車道を走らなくてはならない。走る場所は車道の左端。しかしここは違法駐車や、ガラスや金属片などのゴミが非常に多い場所で「突然車の扉が開いて衝突」「路側帯でスリップして右側(車が走る方)に転倒」などの恐ろしい事故が後を絶たない。

 車の中には幅寄せしてきたり、わざと進路をふさいだりする輩もいるが、広い心で落ち着いて、安全運転を心がけよう。間違っても「逆走」はいけない。ときおり堂々と車道を逆走する自転車を見かけるが、正しく走っている人々が、一部の人たちのために「最近の自転車は交通ルールも知らない」とひとくくりに批判されるのは本当に面白くないことである。これを読んでいる人は、美しく、格好良く、自転車を乗りこなしてほしい。

 通行時に時々後ろを振り返り、車に「俺はお前を認識しているぞ」と分からせることはとても有効だ。車も安心、我々も安心。

 また、自転車は道幅が非常に狭く、交通量の激しい場所など、どうしても危ないエリアでは歩道を走行できる。しかしここで気をつけないと行けないのは「歩行者の場所を借りて走らせてもらう」気持ちだ。不用意にベルを鳴らして、歩行者を避けさせるようなことは御法度。自転車は「歩行者再優先」で徐行する義務がある。最徐行で走行し、危険地帯を脱出したら速やかに車道に戻ろう。

自転車通勤で困ること、どう解決する?

東京・麹町にあるランナーズステーションプラスバイクでは、自転車を預かってくれるほか、更衣スペース、シャワーも利用できる(会員制)

 さて、いろいろ快適で素敵そうな自転車通勤だが、困ることもいくつかある。最たるものは、自転車置き場と着替え場所ではないだろうか。いずれも増えてきているとはいえ、どちらも完備している会社はまだ少ないだろう。

 社内持ち込み可能なビルや、オフィス内に自転車を入れてよいところは、まだ少ないのが実情だ。都内では、自転車と着替えを月極で預かってくれるうえ、シャワーやロッカーまで完備の施設も一部登場している(右図参照)。このようなところが全国的に増えるとありがたいが、まだまだ限定的。多くの人はそれぞれに工夫を凝らす必要がある。

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