欧州金融不安の後退や好調な経済指標の発表を受けて大幅高清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年02月17日 08時41分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10268.81△169.67

<NASDAQ>2214.19△30.66

<為替:NY終値>90.15-90.21

欧州金融不安の後退や好調な経済指標の発表を受けて大幅高

 3連休明けの米国市場は欧州連合(EU)の財務省理事会でギリシャの財政再建計画が承認されたことで金融不安が後退、リスク許容度が上昇し商品市況なども好調となったことから買い先行となりました。先週末のヘッジ売りの買戻しや朝方発表されたニューヨーク連銀景気指数が予想を上回ったこと、住宅市場指数も上昇したことなども追い風となり、買戻しを急ぐ動きとなって大幅高となりました。先週末の中国の金融引き締めも織り込まれたものとして売り材料とはなりませんでした。

 欧州での金融不安が後退したことから、業績の回復を素直に織り込む格好となりました。投機的な資金も収縮の動きが止まり、逆にリスクを取れるようになったことが大きいと思います。商品市況も過熱感が冷め、実需の買いでの下支えが期待されるところからの反発であり、再び新興国の経済規模の拡大からの需要を織り込む格好で上昇傾向となると思われ、株式市場にとってもインフレ懸念や「出口戦略」に対する懸念は残るものの好材料と見てもいいものと思います。

 個別にはほぼ全面高となった中でも信用不安の後退から金融株が買われ、バンク・オブ・アメリカやシティグループが大幅高、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスも高くなりました。商品市況が高いことから素材株も買われアルコアが大幅高、エクソン・モービルやシェブロンなど石油株、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなどの金鉱株も高くなりました。ここまでの調整の反動や「業績相場」への移行期待もあってGE(ゼネラル・エレクトリック)が大幅高、キャタピラーも堅調となるなど景気敏感株も高く、インテルやアップル、マイクロソフトやIBMなどハイテク銘柄も軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は海外市場で休場のところが多かったこともあり、方向感のない展開となりました。為替もほとんど動きはなく先物への仕掛け的な売り買いもなく、堅調ながらも終始方向感が出ることもなく小動きとなりました。物色対象も絞り切れず、売られていたものが買い戻されて、買われていたものが売られるといった状況で指数に方向感は出ませんでしたが、業績回復が期待されることもあって日経平均は10000円を保ち小幅高となりました。

 欧州での金融不安が薄れたことで欧米の株価が大幅高、為替も対ユーロで大きく円安となったことなどから買い先行となりそうです。底堅いながらも様子見気分の強い相場でしたが、ハイテク銘柄などの輸出株や非鉄株、商社株などの商品市況の影響の大きな銘柄などを中心に買い直されるのではないかと思います。中国の金融引き締め懸念は織り込まれ、米国出口戦略は懸念されるものの、円安と言う効果が期待できる可能性も高く、好決算を発表しながらも売られすぎた銘柄や慎重な業績見通しを発表して売られた銘柄なども買い直されてくるのではないかと思います。

 日経平均は10000円水準での底堅さが確認されて戻りを試す動きとなって来るものと思われます。とりあえずは10100円台半ばから200円台半ばの節目水準を窺うことになるものと思います。完全に強気転換と言うにはまだ時期尚早であり、とりあえず目先的には大きな下落は回避されたと見てもいいと思われます。10200円台半ばの水準を抜けてくれば10500円から600円の次の節目まで戻るのでしょうが、まだ10000円水準での底値固めの域をでないものと思われます。

本日の注目点

◇日銀政策委・金融政策決定会合(18日まで)

◇12月の第3次産業活動指数(経産省)

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨発表(1月26、27日分)

◇1月の米住宅着工件数

◇1月の米鉱工業生産指数

◇決算・11−1月期:米ヒューレット・パッカード

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