そのような中で、今年のIC CARD WORLDで重要なテーマになったのが、「交通ICと電子マネー以外の新たな用途」だった。この傾向は電子クーポンの展示が盛んだった昨年のIC CARD WORLDから現れていたが、今年はそれがさらに進んでいた。
なかでも来場者の注目が集まっていたのが、ソニーブースで展示されていた「FeliCa Plug」と「FeliCa Lite」である(参照記事)。
前者はさまざまな電子機器に組み込んで使うFeliCa用の通信モジュールだ。これを使うと、組み込んだ電子機器とおサイフケータイの間で“かざすだけ”で認証やデータ通信ができるようになる。ソニーブースでは体重計や婦人用体温計にFeliCa Plugを組み込み、測定したデータをおサイフケータイに転送。ケータイのアプリとサーバーでヘルスケア情報を管理するというデモンストレーションを行っていた。
一方、後者のFeliCa Liteは、薄くて安価な簡易型のFeliCaチップだ。機能は限定的だが、コストが「使い捨てできるくらい安い」(ソニー)ので、従来のFeliCaカードのような再利用を前提にしなくてすむ。会員証やチケット、スマートポスター、商品タグなど、これまでのFeliCaカードだとコスト的に採算が合わなかった用途での利用が想定されている。
なお、FeliCa Lite内の情報は、おサイフケータイ用に開発中の「タグリーダー」というアプリを使えば読み取れる。新たにリーダーを買い足さなくても、すでに広く普及しているおサイフケータイが使え、しかも“かざせばOK”という手軽さなのもFeliCa Liteのメリットだ。
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