係長30歳、課長34歳……5年前と比べ、昇進スピードに変化はあるのか

» 2010年04月05日 12時56分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 「20代で昇進すれば出世コース、30代だとちょっと遅い」といった会話を聞いたことがあるビジネスパーソンも多いのでは。では実際、何歳くらいで昇進する人が多いのだろうか。労務行政研究所の調査(大学新卒入社に限定)によると、最短での昇進年齢の平均値は係長29.5歳、課長33.9歳、部長40.1歳であることが分かった。一方、標準で見てみると、係長32.7歳、課長39.4歳、部長47.0歳だった。昇進年齢を大まかにいうと、最短で係長30歳→課長34歳→部長40歳、標準では係長33歳、課長39歳、部長47歳となっている。

(出典:労務行政研究所)

 2005年に実施した調査と比べ、昇進スピードに変化はあったのだろうか。実在者の昇進スピードの変化を尋ねたところ、いずれの役職も「変わらない」が最も多く、全体の約6割を占めた。一方「早くなっている」は2割台後半、「遅くなっている」は1割台後半で、早くなっているとする企業の方が多い。こうした変化の背景として「優秀な人材の早期登用に向けた取り組みが、各社で一定の定着をみたと思われる。このほか景気低迷にともなって組織拡大にブレーキがかかり、早期登用の受け皿(ポスト)が、頭打ちまたは減少に転じた。バブル期以降の採用抑制のため、早期登用のターゲットとなる年代層の社員数が限られている」(労務行政研究所)と分析した。

 課長または部長への昇進スピードが早くなっていると答えた企業に、その理由を聞いたところ「若返りを図るために、若手を積極登用した」(課長67.8%、部長63.2%)と答えた企業が最も多かった。このほか「成果主義、能力主義の浸透」(56.8%、60.5%)といった企業も目立った。一方、遅くなっている理由を聞いたところ「ポスト不足」(73.7%、71.4%)と答えた企業が断トツ。また「昇進基準を厳格に運用している」(42.1%、50.0%)といった企業も多かった。

(出典:労務行政研究所)

 上場企業を中心に138社(製造業63社、非製造業75社)が回答した。調査期間は2009年10月5日から12月3日まで。

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