コラム
» 2010年04月07日 08時00分 公開

“ETC型”新卒社員の潜在力を生かせますか?(2/2 ページ)

[松本真治,INSIGHT NOW!]
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ET型上司では人を育てられない

 ところが、日本の企業におけるリーダーシップの評価は世界的に見て非常に低いレベルにある。世界的な優良企業が多い中でも、リーダーシップになるとアジアの中でも新興国にさえ後塵を拝するほどである。

 日本の代表的なリーダーである歴代首相のリーダーシップをふりかえると、日本のレベルの低さはうなずける。就任時こそ支持率の高かった鳩山首相も支持率が大幅に低下し、リーダーシップの欠如がささやかれている。

 部下である閣僚に振り回され、発言が二転三転し、掲げるビジョンとの整合性がなくなっている最近の言動をみると、期待されるリーダーシップからはほど遠い。沖縄基地問題に関する腹案発言もそうであるが、時折みられる突拍子もない根拠なき発言には驚かされた人も多かっただろう。部下である閣僚も右往左往するばかりである。

 鳩山首相のニックネームが宇宙人――ETであるという話はまさに言い得て妙である。実は、今の日本企業の組織に鎮座するリーダーにもこのET型上司が多いように思える。要するに、ビジョンは掲げるものの、計画性が曖昧(あいまい)で行動が伴わないため、実現性が不透明であったり、言うことが二転三転したり、さらには時折突拍子もない発言をしたりと、心当たりのある方も多いのではないだろうか。

 果たして、ET型上司にETC型社員の育成・指導はできるのだろうか?

 ETC型社員は対人関係力において未発達な側面はあるが、情報活用に長けていて効率的な行動がとれるという優れた側面もある。つまり、個人で完結する活動には強いのであるが、協働して進める活動には弱いのである。しかし、組織としての継続的な成果を生み出すためにはチームとしての活動、協働がより重要になってくる。

 チームで職務を遂行する際、メンバーが取り組む活動は、タスクワークとチームワークの2つに大別される。タスクワークとは、メンバー1人1人が取り組む業務の中で行うワークのことであり、個人で完結する活動である。対して、チームワークとはメンバー間でコミュニケーションをとったり、互いに助け合ったりする活動である。この2つのワークが相まってこそ高いチームパフォーマンスが生み出されるのである。

 比較的高い潜在力を持っているETC型社員は、チームワークがうまくできれば個も組織も成長が期待できる。しかし、ET型上司のような不明瞭なリーダーシップでは、心のバーが上がりにくいETC型社員の潜在力は花開かないであろう。

 ET型上司ではなく、従業員が納得し満足できるような風土を作っていく上司であってこそ、ETC型社員の潜在力を生かしていくことができるのではないだろうか。新卒入社社員像に目を向けられがちではあるが、新卒入社社員をどのように生かし育てていくべきかにこそ目を向けるべき時である。(松本真治)

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