米国株安や円高、機械受注の悪化に加え、SQ前の持高調整などもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年04月08日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 11168.20円 ▼124.63円
売買高 21億0537万株
日経平均先物 11170円 ▼120円
売買代金 1兆5020億円
TOPIX 985.99 ▼9.55
値上がり銘柄 433銘柄
東証マザーズ指数 469.51 △4.49
値下がり銘柄 1111銘柄
日経ジャスダック平均 1291.19円 △3.45円
変わらず 131銘柄
騰落レシオ 140.46% ▼5.40%

日経平均

米国株安や円高、機械受注の悪化に加え、SQ前の持高調整などもあって大幅下落

 米国市場が軟調となり、為替も円高と言う売り要因に加え、過熱感は依然として強く、朝方発表された機械受注は予想を大きく下回り、総じて売り先行となりました。先物を筆頭に売り気配から始まるものも見られ、大幅安の始まりとなりました。寄り付いた後はさすがに戻り歩調となりましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、買い戻しを急ぐ動きもなく、逆に戻り鈍さが確認されると戻れば売りとばかりにますます戻りが鈍く、戻りの鈍さを確認しては売り直されるというような展開で小動きとなりました。

 後場も大きく方向感が出ることはなかったのですが、先物にまとまった売りが出る場面もあり、前場の安値を下回り安値圏でのもみ合いとなりました。出遅れ感が強い銘柄などは買われる場面もありましたが、戻りの鈍さを確認して売り直されるものも散見され、総じて軟調な地合いが続きました。いつものことなのですが、大きく方向感が出るわけでもなかったのですが、最後はオプションSQ(特別清算指数)算出前に手仕舞い売りが嵩んで大幅安となりました。持高調整の買い戻し一巡感もあって買い気に乏しい展開となったものと思います。

 小型銘柄は幕間つなぎ的に主力銘柄が売られる中で堅調となり、東証マザーズ指数はインターネット関連銘柄などが高く、いt時大幅高となるなど堅調、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物は後場に寄り付き直後などにはまとまった売りも見られましたが、その他の時間帯ははまとまった売り買いは散発的で、大きく方向感を出すこともありませんでした。先物が指数を牽引するような動きはありませんでした。オプションSQに絡んだ思惑的な動きも少なかったのではないかと思います。

 強含みの基調は続いており、「良い休息」と言う感じではないかと思います。目先的に円高に振れたとか、米国株が安いなどということが理由にされそうですが、過熱感が強かったことからで先駆した銘柄が売られ、出遅れ銘柄が買われているという状況には変わりないと思われます。指数が大きく下押すと考える向きも少ないようで、売り急ぐ動きはあまり見られません。まだ底堅さを確認できたということではないのでしょうが、底堅さが確認されるまでは下がっても上がっても買い場や買える銘柄を探すような展開が期待出来そうです。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線までの下落とあり、一旦ここで下げ止まる可能性もありそうです。「寄り引け同事線」に近くなっており、明日も寄付きから軟調であればまだ調整が続き、明日の寄付きが堅調であれば高値圏でのもみ合いが続くと思っても良さそうです。ただ、RSIやストキャスティックスは高値圏からの調整を示しており、移動平均線や基準線との乖離も依然大きく、上値の重い展開は続きそうです。

TOPIX

NYダウ

 一昨日の安値を割り込まず、まだ高値圏でのもみ合いが続いていると見られます。過熱感は依然強く、下に放れてもよさそうなのですが、逆に下がらないということはそれだけ押し目買い、出遅れ銘柄を物色する動きが強いということでしょう。ただ、移動平均線や基準線との乖離も依然大きく、RSIやストキャスティックスは高値圏からの調整を示しており、上値の重い展開は続くものと思われます。高値圏でのもみ合いの中で日柄整理となるのか一気に押し目を確認して値幅整理となるのか、いずれにしても調整が必要ということなのでしょう。

円相場

NYダウ

 引き続き軟調で押し目を確認する動きとなっています。節目と見られる1月高値水準であり、一旦は92円台で下げ止まるものと思われます。RSIやストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、節目での底堅さを確認してもみ合いとなりそうです。

銘柄ピックアップ

好業績発表には素直な反応

ABC マート(2670) 3315 △300

 昨日の引け後に2010年2月期決算を発表、最高益更新となったことに加え、今期業績見通しも市場予想を上回ったことが好感されて買われ、大幅高となりました。

昭電工(4004) 206 ▼5

 2010年1−3月期の連結営業損益が3四半期連続で黒字となりそうだと新聞で報じられましたが、ハイテク銘柄などが総じて軟調となる中で利益確定売りに押されて軟調となりました。

富士電HD(6504) 293 △13

 売買高を伴い年初来高値更新となりました。次世代送電網(スマートグリッド)の大規模な実証実験が今年度から始まると新聞で報じられたことで、スマートグリッドの中核銘柄として注目される同社にメリットがあるとの見方から買いを集め大幅高となりました。

佐鳥電機(7420) 758 △100

 ストップ高となり年初来高値更新となりました。昨日の引け後に2010年5月期の連結最終損益が従来予想を大きく上回りそうだと発表、3D(3次元)ディスプレー関連銘柄としても注目されたこともあり、好感する買いが入り大幅高となりました。

サンケン電(6707) 356 ▼33

 国内半導体の収益性が低いことやパワーモジュール(PM)事業などの赤字脱却が難しいとして、外資系証券が目標株価は引き上げたものの投資判断を引き下げたことや円高を嫌気する売りに押されて大幅安となりました。

菱地所(8802) 1539 ▼29

 後場になってから下げ幅拡大となりました。3月末時点での東京都心5区のオフィス空室率が過去最高を更新したと発表されたことで、手仕舞い売りがかさんだものと思われます。先駆した輸出株から出遅れ感が強い内需株物色となり、上昇基調となっていただけに反動安となりました。

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