上司の“朝令暮改”に、キレそうになりませんか吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2010年04月09日 00時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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朝令暮改が続くかどうかの見極め方

 では、朝令暮改が続くかどうかの見極め方を紹介しよう。まず、会社の年間売上を確認することだ。特にポイントは売上金額10億円、30億円、50億円である。50億円以上は「ギリギリ中堅企業」と言えると思うので、ここでの説明は控える。誤解がないように言えば、中堅企業以上でも朝令暮改はある。

・10億円以下

 組織が相当に未熟。就業規則や賃金規定などが社員の意識まで浸透していない。部署の役割分担や権限と責任があいまい。人が育たず、経営者や役員が強引に組織を動かす。結果として、朝令暮改が続く可能性が高い。なお創業10年以上経って、10億円以下ならばその会社はもう大きくは伸びないだろう。

・10億円〜30億円

 社員数が少なくとも30〜40人以上にはなっているので、ある程度、部署ができ上がり、それなりに機能する。ただし、まだ組織が発展途上であり、人が育っていない。そこで経営者などが現場に介入し、指示する。しかし、朝令暮改になる可能性がある。とはいえ、それほどひどいレベルではない。難点は中間管理職のレベルが未熟であり、社長が管理職に権限を委譲しても、今度はここで朝令暮改になることが多々ある。

・31億円〜50億円

 はるかに落ち着きが出てきているが、ポイントは中間管理職。このレベルの会社の中間管理職は、社員教育をして底上げができていないので「デキル人」と「デキナイ人」の差が大きい。デキナイ人は、朝令暮改になりやすい。部下はできれば、タイミングよく異動をお願いしたりして、他の部署に移った方がいい。

 これから就職活動や転職をしようとする人は、上記を参考にしてほしい。すでにこうした会社で勤務している人は、組織の体質やクセを見つけ出すきっかけにしていただきたい。

 朝令暮改は部下の側からすると、精神的に疲れる。きっと怒りを感じている人もいるだろう。しかし会社員である以上、いかなるときも感情的になり、安易に辞表を出さないことだ。まずは冷静に職場の実情や上司のクセなどを把握し、行動を取ってみよう。それでもダメなときに、今後のことを考えればいい。感情論からは、何も生まれ得ない。

お知らせ

 時事日想の著者・吉田典史氏の新刊『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)が4月7日に発売されました。前回、プレゼントの案内をしたところ、多くの方からご応募をいただきました。当せんされた方には、近日中にビジネス社から発送させていただきます。


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