今日からできる、CO2排出削減33の知恵松田雅央の時事日想(2/3 ページ)

» 2010年04月27日 11時21分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

2番目のカテゴリー「節電」の最初の知恵は省エネランプの利用促進

 「白熱球を省エネランプに変えると80%の節電になります。1世帯当り年間275キログラムのCO2削減です。EU(ヨーロッパ連合)指令により、2009年9月1日から100ワットの白熱球は販売できなくなりました。2010年からは75ワット、2011年からは60ワット、そして2012年9月1日からは10ワット以上の白熱球が販売できなくなります」

 省エネランプはすでに10年以上前から存在しているが、いまひとつ普及に弾みがつかなかった。商品の種類が少なくデザイン性も乏しかったため、インテリアにうるさいドイツ人には受けが良くなかったようだ。時には、このような規制によって社会を誘導する政策も有効だ。

4番目のカテゴリー「交通」の最初の知恵は「気候にやさしい運転」

 「気候にやさしい運転と燃料の節約は簡単です。適切にギアチェンジをする、エンジンを無駄にふかさない、赤信号でエンジンを切るなど。それから冬の早朝、フロントガラスの氷を取る時、エンジンは必ず止めておきましょう」

気候博士の豆知識

 「気候にやさしい運転で1万キロを走れば、160リットルの燃料(220ユーロに相当)を節約できます。これはおよそ400キログラムのCO2削減に相当します。気候にやさしい運転を習うにはどうすればいいかって?  2〜3時間気をつけて運転すれば、誰でもできるようになりますよ」

 ちなみにコラージュに使われているのはミニクーペの写真。単純に自動車を批判しているわけではないが、公共交通の利用、自転車の利用、カーシェアリングの利用、劇場や催し物に行く際は公共交通を……のように、自動車の利用を控えることを訴える内容だ。自動車のネガティブな面を解説する例として使われているのだから、メーカーからクレームが来てもおかしくない。環境局担当者にそのことを尋ねてみたが、別段気にする様子もなく「特にそういう話は来ていません」。こと環境保全に関してドイツは寛容だ。

4番目のカテゴリー「交通」(出典:環境局の冊子)

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