30代で「オレ様は仕事ができる」と、勘違いしている人へ吉田典史の時事日想(3/3 ページ)

» 2010年05月07日 08時00分 公開
[吉田典史,Business Media 誠]
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 確かに指摘通りだが、こういった人が職場にいると、精神的にヘトヘトに疲れてしまう。そこで庄司氏に、小さな会社ではこういう社員に本当に対応ができるのかと尋ねた。すると「社員が50人ほどならば、あまりにひどい場合は辞めさせるケースもありえます」と答える。

 この回答に私は、妙に納得してしまった。私は安易な解雇(不当な解雇など)には反対するが、小規模な会社では、極端なトラブルメーカーには、退職勧奨(退職をソフトに勧めること)することはやむを得ないと考える。もちろん、そこから退職強要に発展することはあってはならない。退職強要は、法的に問題であるからだ。

 こういう人を放置しておくと、ほかの社員、特に将来のある(と思える)20代社員に悪影響を与える。会社は、30代前半で「やってきた感」に浸り、新しいことに取り組もうとしない人への対応を真剣に考えるべきだろう。

 私は、こういう人に言いたい。「とにかく、汚れながらも前進を!」と。周囲には、同世代でボロボロになりつつ新しいことを吸収していく人がいるではないか。それが、本来の30代である。わずか10年のキャリアでご満悦になっているようでは、あまりに悲しい。その意識をあらためないと、悔いるときがくるだろう。

 会社員は40代になって、いきなり差がつくことはありえない。20代後半〜30代後半の生き方、考え方、意識のあり方の積み重ねで差が出てくるのだ。30代の人はそれを踏まえ、新しいことを貪欲に受け入れるべきである。心に巣くう「やってきた感」など潰してしまった方がいいだろう。

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