ユーロ安、米国株安を受けて大幅下落となるも値ごろ感からの買い戻しも入り下げ幅縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年05月19日 17時30分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10186.84円 ▼55.80円
売買高 24億5098万株
日経平均先物 10140円 ▼120円
売買代金 1兆6659億円
TOPIX 910.64 ▼3.27
値上がり銘柄 481銘柄
東証マザーズ指数 413.72 △10.59
値下がり銘柄 1080銘柄
日経ジャスダック平均 1272.43円 ▼13.33円
変わらず 112銘柄
騰落レシオ 81.71% △0.34%

日経平均

ユーロ安、米国株安を受けて大幅下落となるも値ごろ感からの買い戻しも入り下げ幅縮小

 ユーロ安や米国株安から売り先行となりました。日本時間になって一段とユーロ安が進んだことから、ハイテク銘柄の一角などを中心に売り気配から始まるものが多く見られるなど大幅安の始まりとなりました。寄り付きの売りが一巡した後は外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しながらも売り越し幅が縮小していることなどから、値頃感からの買戻しも入り戻り歩調となる場面もありました。ただ、戻りも限定的となり上値の重さが確認されると売り直されるといった展開で大幅安水準で小動きとなりました。

 後場は昼の時間帯にユーロが堅調となったことから買い先行となりました。先物が前場の高値水準まで戻るとまとまった売りに押され、戻りも鈍かったのですが、一方で現物株にも買戻しも見られ下げ幅縮小となりました。それでもいったん先物の節目を抜けると今度は目先筋の買戻しを急ぐ動きなどもあり、一気に下げ幅を縮小し、節目と見られる10100円台後半まで戻しました。本来であればユーロ安などが嫌気される銘柄なども買い戻しで堅調となるなど目先の需給に振らされながらも最後は買い戻しも入り、下げ幅を縮小しての引けとなりました。

 小型銘柄も売られたものほど買い直されて堅調となるという展開で指数はまちまちとなりました。昨日まで急落となっていた東証マザーズ指数は大幅反発、底堅かった日経ジャスダック平均は大幅下落となりました。先物は朝方からまとまった売りが散発的に見られたのですが、後場に入ってからは逆にまとまった買いが散発的に見られ、指数の下げ幅を縮小させる要因となりました。

 ユーロ安や米国株安に反応しているようで結局は信用収縮=リスク回避のための持高調整が中心となっているようです。ユーロがこれだけ下落したにも関わらず、寄り付きの売りが一巡した後にこれまでユーロ安を嫌気されて売られていた銘柄の一角が堅調となるなど、相変らずちぐはぐな動きとなっており、同業種の中でも高安まちまちとなるケースも多く見られました。業績面の悪材料で売られていたわけでもなくあくまでも目先の需給要因で売られているだけに、信用収縮が止まれば買い直される銘柄も多く見られるのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 下に放れてしまった感じです。遅行線も雲を割り込み、調整が長引いてしまうかもしれません。まだ2月安値水準での底堅さを確認している状況で、10000円の心理的な節目を意識して底堅さも見られるものと思います。RSIはまだ下値余地はあるものの底値圏にあり、ストキャスティックスも底値圏にあるので、そろそろ反発となってもいいところです。

TOPIX

NYダウ

 2月の「逆三山(三尊)底」のような格好となったところの「ネックライン」と言う節目水準でぎりぎりのとろころでサポートされているような格好です。瞬間的に割り込んだとしても、底堅さは見られるものと思います。RSIはまだ下値余地もあり、下落しているのですがストキャスティックスは底値圏になっており、そろそろ反発となってきそうです。

円相場

NYダウ

 雲の中で軟調ながらも底堅い動きとなっています。RSIもストキャスティックスも方向感がなくなり、中途半端な位置にあって遅行線は日々線に上値を押さえられて基準線にサポートされています。遅行線が日々線の安値の日柄で底入れとなるのか、あるいは遅行線が日々線に絡むところまで調整が続くのか、いずれにしてもそれまでは大きな動きはなさそうです。

銘柄ピックアップ

ユーロ安で全面安も売られ過ぎた銘柄は堅調

三菱UFJ( 8306) 452 △ 3

 昨日の引け後に2010年3月連結決算を発表、最終損益は黒字に転じたと発表されましたが、特に材料視されず、米国で金融株が売られるなど金融機関に対する規制強化の動きを嫌気して売られ、軟調となり年初来安値更新となりましたが、寄り付きの売りが一巡したあとは達成感や出尽くし感から買戻しが入り堅調となりました。

日 立(6501) 383 △2 、 東 芝(6502) 493 △6

 ベトナムで建設される原子力発電所が8基に倍増するとベトナム高官のコメントして新聞で報じられましたが、特に材料視されることもなく米国株安やユーロ安を嫌気した売りに押されて軟調となりましたが、後場から相場全体が戻す中で買戻しや材料を取りざたして買われ、堅調となりました。

ソニー(6758) 2911 △77 、 任天堂(7974) 26850 △900

 欧州の影響を受けやすい銘柄として売り先行となり、ユーロ安も進んだのですが、これまで既に大きく売られていたことや持高調整の買戻しも入り堅調、大幅高となりました。

ニプロ(8086) 1756 △11

 インドで医療機器を生産すると新聞で報じられ、需要の急増が見込めるインドへの進出で収益拡大期待から買われ、堅調となりました。

ABC マート(2670) 3495 △15 、 ニトリ(9843) 7550 △150

 ユーロ安を嫌気して総じて軟調となる中で、円高メリットのある銘柄として買われ、堅調となりました。欧米の景気回復が鈍化しても大きな影響はない銘柄として買われたものと思います。

あすか薬(4514) 686 △52

 家畜伝染病の口蹄疫の感染拡大で消毒薬が4月末に在庫切れとなるなど注文が増加しており、今月中に年間数量の2倍の増産体制を整えると報じられたことが好感されて買われ大幅高となりました。

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