引き続き疑心暗鬼の相場で週末の米国株高に反応できず小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年05月24日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9758.40円 ▼26.14円
売買高 22億0425万株
日経平均先物 9760円 △30円
売買代金 1兆5062億円
TOPIX 880.01 △0.32
値上がり銘柄 781銘柄
東証マザーズ指数 399.59 △1.45
値下がり銘柄 758銘柄
日経ジャスダック平均 1252.24円 △2.62円
変わらず 137銘柄
騰落レシオ 71.18% △2.60%

日経平均

引き続き疑心暗鬼の相場で週末の米国株高に反応できず小動き

 先週末の米国市場が大幅高となり為替も落ち着いてきたのですが、相変わらず持高調整の売りに押されるように売り先行となりました。信用収縮の動きが続いていたようで、為替も円高に振れる場面もあり、買い急ぐ動きにならなかったものと思います。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたのですが、特に材料視されることもなく、寄り付きの売りが一巡した後も戻りは鈍く小動きとなりました。

 後場に入ってからは買戻しも入り、堅調となる場面もあったのですが、積極的な買いは見られず買戻しが中心と見られ上値も限定的となりました。上値の重さが確認されると見切売りも嵩み軟調となるのですが、逆に売り急ぐ動きもなく方向感のない展開となりました。為替も円高気味であり、しっかりと買い切れず、幕間つなぎ的に目先筋の買いや持高調整の買戻しで高くなるものも見られるのですが相場を牽引するような力強さは見られませんでした。結局最後まで方向感のない展開で見切売りもあって軟調となりました。

 小型銘柄も方向感のない展開となりましたが、値ごろ感からの買いも入り、底堅い堅調なものも多く見られました。東証マザーズ指数、日経ジャスダック平均は堅調となりました。先物は先週末に持高調整の売り買いもある程度出てしまったのか、まとまった売り買いは散発的に見られるに過ぎず、積極的な売り買いもほとんどなく方向感を出すような展開にはなりませんでした。持高調整に合わせてヘッジの売り買いも出ているのかもしれませんが、指数を方向付けるような動きはありませんでした。

 海外市場の動きにも反応が鈍く、業績への反応もほとんどないような状況です。目先の需給に振らされて、持高調整の売りが出ている銘柄が安く、買戻しが入っている銘柄が高いと言うような状況で、同じ業種の中でも高安まちまちとなり、米国株高にも反応は鈍く、為替が円高気味となっても買わない理由にはなっても売り急ぐ理由にはならないということなのか売り一巡感ということなのか、売り急ぐような動きは見られませんでした。金融引き締め懸念や金融規制強化懸念が薄れれば好業績銘柄の買い直しなどは見られるものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 安値圏で方向感はなく下値を探る展開となっています。ストキャスティックスは底値圏にあるのですが、RSIはまだ下値余地もあり、底堅さを確かめるような展開になりそうです。底堅さが見られれば持高調整の売り一巡後は戻りを試すことになるのでしょう。基準線や移動平均線からの乖離は大きく、底堅さも見られるのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 方向感のない中で底堅さも見られます。RSIはまだ下値余地もあるのですがストキャスティックスは底値圏にあり、戻りを試すような動きも見られるのかもしれません。持高調整の売り一巡となれば転換線までの戻りは期待されるものと思います。

円相場

NYダウ

 これまでの安値となった水準、1ドル=90円を割り込むと底堅くなり反発となるようです。ただ、RSIもストキャスティックスも下値余地はあり、まだ戻りの鈍さを見てもわかるように下値を確認するような動きがあるものと思います。徐々に落ち着きは見られるのでしょうが、本格的な戻りはもう少し後になりそうです。

銘柄ピックアップ

持ち高調整の売り買いが中心で方向感のない展開

エルピーダ(6665) 1619 △5

 好材料にもかかわらず持高調整の売りもあって乱高下となりました。朝方は週末の新聞で2011年3月期連結営業利益が前期実績の5.6倍となる見通しと報じられたことから買い先行となったものの、持高調整の売りに押され、一時軟調となるなど上値の重い展開となりました。

ステラケミファ(4109) 3060 △109

 新聞でリチウムイオン電池に使う電解質の生産能力を焼く2.4倍に引き上げると伝えられたことに加え、ここのところ下落し年初来安値更新となっていただけに買戻しも入り大幅反発となりました。

レナウン(3606) 191 △50

 中国の繊維大手を引き受け先とする第三者割当増資を行い、同社の傘下に入ると新聞で報じられたことから、再建が進むものと好感されて買われ、ストップ高となりました。

商船三井(9104) 624 △16

 日本とロシア極東を結ぶコンテナ船の運行頻度を2倍にすると報じられたことや海運指数が底堅く、週末にも上昇となったこと、また、大手証券が投資判断を引き上げたことが好感されて買われ、堅調となりました。

日特建(1929) 60 △7

 買い気配で始まり大幅高となりました。先週末の引け後に2011年3月期の年間配当を1円にすると従来予想を覆して9期ぶりの復配見通しを発表、目先筋の買いを集め、値ごろ感もあって大幅高となりました。手詰まり感が強い中で幕間つなぎ的な意味もあったものと思います。

Jパワー(9513) 2666 ▼80

 中国産の発電用石炭の2010年どの価格交渉が2年ぶりの引き上げで決着したと新聞で報じられたことから、コスト高を懸念する売りに押されて大幅下落となりました。販売電力全体に示す火力発電の比率が高いことが嫌気されたものと思います。

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