引き続き疑心暗鬼の相場で週末の米国株高に反応できず小動き清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年05月24日 15時55分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場は大幅高となり、為替も落ち着いていたのですが、まだまだ疑心暗鬼の相場展開で売り先行となりました。引き続き信用収縮の動きからの持高調整の売り買いが中心となり、指数は方向感のない展開となりました。円高に振れる場面では売りが嵩み、円高一服となると買戻しも入るというような状況であり、目先の需給に振らされながら物色対象も絞り切れず、まちまちとなりました。

 相変わらず信用収縮=リスク資産からの逃避の動きも出ているようですが、本日は買戻しも見られて堅調なものも多くなっています。ただ、物色対象も単純に持高調整の売り買いのなかでの上げ下げであって絞り切れず、指数は方向感のない展開となりました。本日も同じ業種の中でも高安まちまちとなっており、持高調整の買戻しが入っているものが高く、売りが出ているものが安いというような状況です。

 好決算を発表しながらも売られた銘柄も未だに下げ続けているものもあり、逆に芳しくない決算を発表しながら、円高にもかかわらず堅調な銘柄なども見られます。素直に反応していないということは業績や為替などに関係なく「何らかの事情で」売り買いがなされているということでしょう。信用収縮=リスク許容度の低下を考えるとリスクをとって買っていた銘柄は売られ、売られていた銘柄が買い戻されているということでしょう。

 ということは、売られている銘柄も業績悪化などの悪材料で売られているということでもない銘柄もあり、そうした「持っていられない」という事情で売られている銘柄などはそうした持高調整の売りが一巡した後は値ごろ感から買われることもあるのではないかと思います。底値で買うことは難しいのですから、そうした持高調整の売りに押されている銘柄も「まだまだ」と思っているところから反発となってくるのでしょう。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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