円安や米国株高を好感、売られすぎの反動もあって大幅高：清水洋介の「日々是相場」夕刊（2/2 ページ）

[清水洋介，リテラ・クレア証券]

明日の相場雑感

　米国株高や円安を好感して買われ大幅高となりました。ディフェンシブ銘柄や内需株の一角が軟調となったほかはここのところ持高調整の売りに押されて大きく下落していたものが多かっただけにほぼ全面高となりました。外国人売買動向も買い越しと伝えられたように、持高調整の売りも一段落となったことで、指数は予想以上の上げとなりました。売り飽き気分が強く、買い戻しや買い直しのタイミングを待っていたかのように大きな上昇となる銘柄も多く、大幅高となりました。

　一日でこれだけ市場の雰囲気も変わってしまうことになっているようです。下がるときは全面安、上がるときは全面高と個々の銘柄の動向、材料など関係ないかのような動きです。ただ、多くの場合、個々の銘柄の動きが全体の相場の流れや世の中の流れを示していることも多く、本日のような状況はこれだけ、買いたかった人が多い、買うタイミングを待っていたということなのかもしれません。どの銘柄が一番戻っているのかなどということはここでは関係なく、「この後どうなるのか」ということが大切なのだと思います。

　個々の銘柄の材料も、その銘柄の売り買いばかりを気にするのではなく、個々の銘柄の材料を組み合わせて世の中の情勢、大きな流れの方向性を見極めるということが大切なのではないかと思います。小売店の月次の売上動向ももちろん株価に反応するのでしょうが、その売上高の動向が世の中の流れをどのように方向付けているのか、どのような流れを示しているのかを汲み取ることが必要なのでしょう。

　売上が良いから買う、中国に進出するから買う、ということではなく、売上が良いというのは何を意味しているのか、どの企業も中国、中国と一斉に動いているということは何を示しているのか、をしっかりと見極めることが大切なのだと思います。目先の単純な連想や動きに惑わされず、いつでも大きな流れをしっかりと見極めておくことが大切なのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 （パンローリング）、『儲かる株価チャート集中セミナー』（ナツメ社）。清水洋介の「株式投資の羅針盤」

※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。