週末の手仕舞い売りもあって方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月04日 16時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は底堅く、堅調となったのですが、昨日の大幅高の反動もあって売り先行で始まり、円安期待などから、切り返す場面もあったのですが、主要な経済指標の発表やG20を控えた週末ということで積極的に買い上がる動きは少なく、逆に手仕舞い売りも多く軟調となりました。欧州金融不安などは薄れ、世界的な景気回復は確認できたものの金融規制強化からの信用収縮懸念も根強く、買い切れないということのようです。

 首相が交代するということで、買われる場面もありました。ちょうど昨年の衆議院選挙の時と同じように期待が強いのだと思いますが、昨年の選挙の時と同じように新首相が決まると手仕舞い売りも多くなりました。「知ったら終い」とか「噂で買って、ニュースで売れ」と言われるように、期待が強いとその後の反動が大きいので期待しているうちに売ってしまおうということになるのでしょう。期待外れとなったわけでもないのですが、あえて政局が市場の材料にならないということを示しているものと思います。

 選挙の時には相場が動き、昨年のように「民主党関連」などといわれて囃されることも多いのですが、いつも「一過性」のもので終わってしまうと思います。一方で「スマートグリッド関連」などは実際にプロジェクトが動き出したり、実証実験が始まったりするたびに買われるということがあり、息の長い材料となっています。政策の方向性を見極めてその政策の流れに乗っている銘柄を物色するのはいいのでしょうが、単に周りで騒いでいるからというだけではやはり長続きしないものと思います。

 「○○関連」などと言って騒ぐことも多いのですが、そうした目先の騒ぎに惑わされてもうまく行かないのではないかと思います。政策なら政策でしっかりと先行きの流れ、方向性を見極め、その流れにあった銘柄をしっかりと物色していかないと単に連想ゲームとして物色してみても目先的には派手に動いて気持ちはいいのかも知れませんが長続きもせず、すぐに忘れ去られてしまうのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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