このことだけで報告書の信頼性が崩れるわけではないが、憶測に基づいた不確かな内容が世界に大きな影響を与えたことに、筆者は極めて大きな危険を感じる。単なるミスならまだしも、「英紙テレグラフは、ICPPのパチャウリ議長が、温室効果ガスの排出量取引などでもうけている銀行の顧問なども務め、その報酬はパチャウリ氏が理事長を務める団体に振り込まれていると報じている」とのオマケ付き。その真相は明らかにされていないが、「科学的データ」という権威を用いた情報操作が常に起こり得ることを心に留めておくべきだろう。
いずれにしろ地球温暖化の脅威が一昔前に考えられていたより遥かに早い速度で増しているのは確かだ。21世紀の最重要課題に、われわれはどう向き合えばよいのか。たとえ温暖化の原因が自然起源か人為的なものか100%の答えが出ていなくとも、人為的の可能性が大きい限り、常にグローバルな視点を抱きながら自分のできることを1つずつ実行してゆく姿勢が大切だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング