持高調整の売りが続き軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年06月28日 16時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場も方向感はなく、G20も悪いこと(金融規制強化)も決まらなかったものの良いこと(景気拡大の協調体制確認)もはっきりとしないと言う状況で材料とはならず、先週末の大幅下落の反動から買い先行となったものの買いも続かず軟調となり、売り急ぐ動きもなく方向感のない展開となりました。実質7月相場入りとなりましたが、参議院選挙を控え、日米の主要な経済指標の発表も控えていることから、積極的には動き難く、方向感のない展開となったものと思います。

 ブログだけではなく、ツイッターやユーストリーム、ユーチューブといった自分勝手に(?)情報を簡単に配信できるようになりましたが、使い方、マナーなどにいろいろと問題もありそうです。簡単に皆の前に情報をさらすことになるだけに、情報の管理がますます大切になって来るものと思います。同時にそれだけ目や耳から様々な情報が入ってくるわけですから、入ってくる情報もしっかりと整理しなければならないと思います。

 先週末に個人的な勉強会のところでも話をしたのですが、情報を一元的に聞いたまま、鵜呑みにするということはとても危ういことだと思います。○○だがら、と言われても「何で○○だとそうなるのか?」そもそも「何で○○なのか?」とそのまま鵜呑みにするのではなく、今起きていることとの整合性、事実から導けるものなのかどうかなどをしっかりと見極め、本物か偽ものなのかを見極める必要があるでしょう、「円高で売られている」といっても円高でデメリットのある銘柄が買われていたり、円高メリットのある銘柄が買われていないなどと為替と関係ないところでの動きが多いという場合などは、「円高で売られている」という他の要因の方が強いのではないかと考えるべきでしょう。

 また、○○関連銘柄だからといって慌てて買っても実は○○の比重はとても小さく、業績への影響がほとんどなかった、などということもあるのです。新規公開銘柄にしても、物珍しさだけで変われているのか、将来性で買われているのか、他に買うものが無いから「手垢の付いていない銘柄」として買われているのかを周りで言っていることを鵜呑みにして、勘違いしてしまい痛い目にあったりもするのです。「何がどうして、どうなる」のか、しっかりと自分でシナリオを立てて見極めた方が良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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