欧州金融不安、米雇用不安などが薄れてダウ平均は大幅連騰清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年07月09日 09時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10138.99△120.71

<NASDAQ>2175.40△15.93

<為替:NY終値>88.32-88.38

欧州金融不安、米雇用不安などが薄れてダウ平均は大幅連騰

 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想を下回り雇用不安が薄れたことやECB(欧州中央銀行)総裁の厚めの資金供給を継続するとのコメントやIMF(国際通貨基金)の経済見通しで米国のGDP(国内総生産)の伸びが上方修正されたことなどから、買い先行となりました。さすがに連日の大幅高ということもあり、利益確定売りに押される場面もありましたが、6月の既存店売上高が予想を上回った銘柄もあり、また、信用収縮が一段落となったことで商品相場も堅調となり、総じて堅調な展開、ダウ平均は大幅高となりました。

 値ごろ感が言わしめたかのような展開ですが、欧州金融不安、米国の景気回復鈍化懸念が一気に薄れた格好です。同時に商品相場が堅調となるなど、ここまでの流れが再び逆に流れ出したかのような雰囲気です。まだまだ、来週からは企業の決算動向に一喜一憂する展開となるのでしょうが、株価の上昇が徐々に悲観的な見方を楽観的な方向に動かしつつあるのではないかと思います。

 個別には6月の既存店売上高が予想を上回ったJCペニーやメーシーズが買われ、予想を下回ったギャップやターゲットが軟調となりました。資産の売却が取りざたされたシティグループは高く、バンク・オブ・アメリカも信用収縮が一段落となったことで堅調となりましたがJPモルガン・チェースは利益確定売りに押されて小幅高に止まりました。原油価格が堅調でエクソン・モービルやシェブロンが高く、景気回復期待からキャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)、アルコアなど景気敏感株が堅調となりましたが、インテルは利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株が大幅高となったことや円安を好感して買い先行となり、大幅高となりました。外国人も買い越しと伝えられたことや持高調整の売りが一巡となった感もあることから、売られすぎ銘柄を中心に買われて大幅高となりました。ただ、まだ疑心暗鬼な状況は変わらず、新たに市場参加者が見られたわけでもなく、大幅高の割りには盛り上がりに欠ける展開となりました。

 米国市場が引き続き堅調、大幅高となったことや為替も円安傾向になって来たことなどから、昨日同様に買い先行となりそうです。オプションSQ(特別清算指数)算出に絡んでの動きも目先筋の売り買いなどで相殺されて特に問題となることもなさそうです。信用収縮の動きが一段落となり、好業績が期待されながら売られすぎたハイテク銘柄や商品相場の下落などで売られていた商社株などはまだまだ割安感が強い銘柄もあり、景気後退=業績悪化の懸念も薄れ、改めて買い直す動きも出てくるかもしれません。

 週末ということもあり、上値も重くなって来るかもしれません。9500円から600円水準がちょうど「窓埋め」と見られる水準でもあり、5月、6月の安値圏でもみ合いとなった水準でもあり、いったん9500円〜600円水準でもみ合いながら底値固めとなる可能性もありそうです。次の節目と見られる水準は9800円〜900円水準であり、9500円〜600円水準で底堅さを確認してから上値を試すことになるのかもしれません。

本日の注目点

◇株価指数オプション7月物の特別清算指数(SQ)算出

◇3−5月期決算:良品計画(7453)

◇韓国中銀政策決定会合

◇5月のOECD景気先行指数

◇5月の米卸売在庫

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