<NYダウ>10322.30△201.77
<NASDAQ>2245.89△58.56
<為替:NY終値>86.94-87
前日の大幅下落の反動や前日引け後やこの日の朝方に好決算の発表や業績見通しの引き上げなどもあり、素直に好感する動きで買いが先行、経済指標も大きな悪化を示す指標もなく、買戻しも交えながら大幅高となりました。新規失業保険申請件数は若干予想を上回ったのですが、中古住宅販売は芳しくはないものの予想を上回り、景況感の悪化が鮮明になるということでもなく、材料視されず、素直に好決算に反応する動きとなったものと思います。
欧州市場でも金融機関のストレステスト(資産査定)の発表を前に比較的楽観的な見方となっており、欧州株式は連日の大幅高となって、欧州の株式市場を見る限りでは一連の金融不安や信用収縮懸念も薄れたのではないかと思われ、米国市場の方向も楽観的に見るような動きとなった面もあると思います。個別の企業業績の中身を見ても新興国など海外で業績引き上げもあるのですが、インターネット取引を通じた個人消費などは好調となっているようで、これらの動きを見ている限りでは景気の二番底懸念は薄らぐのではないかと思います。
個別には前日の引け後に予想を上回る決算を発表したクアルコムやイーベイ、朝方発表された決算が予想を上回ったキャタピラーやスリーエム、UPSなどが買われ堅調、大幅高となり、マイクロソフトやアップル、IBMなどのハイテク銘柄も堅調、欧州金融不安が薄れたことで、金融株も高く、アメリカン・エキスプレスが大幅高、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカも堅調となりました。中古住宅販売が予想ほど悪くなかったことから景気回復鈍化懸念が薄れ、ホーム・デポやGE(ゼネラル・エレクトリック)なども高く、商品相場も堅調となったことで、エクソン・モービルなどの石油株やパブリック・ゴールドなどの均衡株、アルコアなど素材株も高いものが目立ちました。
昨日の日本市場は米国株安や円高を嫌気して売り先行となり、買い気の乏しい中で小動きとなりました。前日までに大幅下落となっていたこともあり、売り一巡後は底堅さも見られましたが、しっかりと戻り切るようなこともなく、好決算などの好材料への反応も鈍く、小動きとなりました。相変わらず先行きへの警戒感も根強く、好材料にも素直に反応し切れないと言う格好です。
欧米市場が大幅高となったことや為替が円安となったこと、また、昨日までの下落の反動から大幅反発が期待されます。米国景気への懸念が薄れたことや欧州金融不安が薄れたことに加え、海外での商品市況も堅調、信用収縮=リスク許容度の低下も一段落となって来るものと思われ、これまで大きく売られたハイテク銘柄や商社株、非鉄株などの反発が期待されます。欧州での金融機関のストレステストの発表を控えた週末ということでヘッジ売りや手仕舞い売りに上値を押さえられる場面もありそうですが、逆に手仕舞いの買戻しを急ぐ動きも見られるものと思われ、堅調な地合いが期待されます。
指数も9200円水準での底堅さを確認して、戻りを試す動きとなりそうです。9400円前後という水準も5月、6月の安値水準であり、節目として意識されるものと思われますが、その水準までの戻りは期待できそうです。9500円〜600円水準で底堅さが確認されるまでは底入れ確認とはいかず、まだ9200円前後や9000円を意識する水準までの下落を懸念する向きもあるのでしょうが、本日しっかりと上昇して為替も落ち着いてくれば、9200円水準での底値を確認することになるのかもしれません。
◇4〜6月期決算:日電産(6594)、KDDI(9433)、ジャフコ(8595)
◇ジャスダック上場:アイ・ケイ・ケイ(2198)
◇7月の独Ifo企業景況感指数
◇4〜6月期の英国内総生産(GDP)速報値
◇欧州銀行監督委員会(CEBS)、欧州の銀行91行の資産査定(ストレステスト)結果を発表
◇海外4〜6月期決算:マクドナルド、ベライゾン・コミュニケーションズ、フォード・モーター
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