電化がリードする低炭素社会――エネルギーソリューション&蓄熱フェア(2/3 ページ)

» 2010年08月10日 13時37分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

東京スカイツリーエリアにもヒートポンプ地域冷暖房システムを導入

 同展示会の約3分の2のスペースを占めていたのが空調・給湯・産業ゾーンだ。同ゾーンに設けられた東京電力の空調・給湯特設ゾーンと産業特設ゾーンには、各社のヒートポンプ空調装置やヒートポンプ給湯装置(冷水/温水同時供給タイプを含む)などがまとめて展示されていたほか、多数のメーカー/ベンダーなどがそれぞれにブースを構え、自社の省エネ電化機器やシステム、ソリューションなどを展示していた。

COP6.3、CO2削減量64%(ガス吸収式冷温水機との比較)で、ターボ冷凍機並みの冷房性能を持つ東芝キヤリアの空冷ヒートポンプ式熱源機
三菱重工業製水熱源ヒートポンプ給湯器。水熱源ヒートポンプ給湯器は河川水や工場排水など環境温度(0度〜50度)の水を利用して最高90度の温水や最高120度の蒸気を生成することができるため、ボイラーに代わる産業用熱源として期待されている
ヒートポンプ導入による初期投資/ランニングコスト/CO2排出量削減の事例紹介コーナー

 空調・給湯特設ゾーンでは、ヒートポンプと蓄熱槽を組み合わせた省エネ電化システムを採用した大規模建設プロジェクトについても、パネルやプレゼンテーションで紹介。

 例えば2012年春に完成予定の東京スカイツリーエリアでは、地中熱を熱源に利用するヒートポンプとプール17杯分約7000トンの大規模水蓄熱槽を組み合わせた、地域冷暖房システムが導入される。冬期は地中から採熱し、夏期は放熱する地中熱利用ヒートポンプはヒートアイランド現象の抑制に効果があるほか、プール17杯分の水は災害時の消防用水や生活用水にも利用できる。地中熱を利用するヒートポンプ地域冷暖房システムは国内初で、CO2排出量を約半分に抑制できるという。

東京スカイツリーエリアの地域冷暖房システムには国内初の地中熱利用ヒートポンプが採用されている

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