電化がリードする低炭素社会――エネルギーソリューション&蓄熱フェア(3/3 ページ)

» 2010年08月10日 13時37分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]
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ゼロカーボン建物を目指す建設会社の取り組み

 竹中工務店、清水建設、大林組、鹿島建設、大成建設などの建設会社は出展者のブースエリアにもブースを構えていた。

 竹中工務店は、同じ室温でも高い快適感が得られる輻射式冷暖房(輻射空調)やパーソナル気流ユニットなどによる中温エコ空調システムや、タスク&アンビニエント照明をニーズに合わせて自由にレイアウトできるアダプタブル照明およびそれを可能にするフリーレイアウト天井システム、LED照明用の直流給電と照明制御用のPLC通信を統合した直流給電通信統合システムなどをパネルやプレゼンテーションで訴求。

竹中工務店がプレゼンテーションしていた直流給電通信統合システムの概念図

 清水建設も輻射空調とパーソナル床吹き出し口によるタスク&アンビニエント空調や、タスク&アンビニエント照明や人感センサーによる照明制御などにより、2012年竣工予定の同社新本社ビルでCO2排出量を1990年比で半減し、さらにトップランナープロジェクトの推進で2020年代には建物のゼロカーボンを実現したいとしている。このほか大成建設などもゼロカーボン建物に向けたシナリオを展示していた。

 なおこれらの空調システムの熱源はすべてヒートポンプである。

CO2排出量ゼロに向けた清水建設のロードマップ

 輻射空調とともに省エネ空調方式として注目されているのがデシカント空調。デシカント空調は乾燥剤(Desiccant)を使って室内の湿度を調節する空調方式で、夏期は除湿、冬期は加湿することにより、同じ室温でも快適性を高めることができる。

 ダイキンのブースでは、温度と湿度を個別にコントロールするDESICAシステムの体感ルームを設置。従来空調ルーム(温度26度、湿度60%)とDESICAルーム(温度28度、湿度40%)をドアを隔てて並べ、従来空調ルームからDESICAルームに移動すると体感温度がどう変わるかを体験できるようにしていた。

ダイキンのブースに設置されていた温度・湿度個別コントロール空調システムの体感ルーム
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