嘆かわしい「夏休みのラジオ体操事情」はどう解決すべきか?(2/2 ページ)

» 2010年08月20日 08時00分 公開
[中村修治,INSIGHT NOW!]
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「夏休みのラジオ体操」風化防止策

 そこで、誠に無責任ではあるが「夏休みのラジオ体操」風化防止策を考えてみた。するべきことは、ラジオ体操そのものへのてこ入れである。次の動画を見ていただきたい。

【ラヂオ体操第4】

 ラジオ体操の70年ぶりの続編と称する「ラヂオ体操第4」である。これは、アディダス・ジャパンが展開するリーボック ジャパンのスポーツウェア「TAIKAN」のプロモーション動画で、いわゆる「ラジオ体操」とは、まったく無関係なのだが、一時期、ネットで話題騒然となっていた。

 いまなお本家のラジオ体操には、「国民心身鍛錬運動」の匂いがある。それを地域の子ども会が推進していく。強制する。時代とは逆行した仕組み自体に無理が生じている。余白がない。余裕がない。こういう仕組みは、自然と淘汰される。

 「ラヂオ体操第4」のような体操は、実質的には無理であるが……、こういうことをヒントに、今あるラジオ体操は、もっと地域色豊かなものにアレンジしていいのではないかと考える。

 日本各地で同時間に同じことをなぞっているラジオ体操ではなく、日本各地で朝の同時刻に、各々の地域が競うように、オリジナルのラジオ体操をやっている。その風景は、きっとネットを通して全国に発信される。それで競い合うサイトもできたりする。その盛り上がった状況には、きっとスポンサーも付くであろう。地域のクリエイティブが資本に変わっていく。

 昨今の子供会のラジオ体操参加率向上策のほとんどは、「皆勤賞で●●がもらえる」である。子どもたちに経済合理の選択をさせて、「夏休みのラジオ体操」を維持しようとしている。それって、どこぞの国の政党の施策と同じ構造ではないか。

 「ラジオ体操」の参加率をクリエイティブで解決する。そんな地域自治が生まれてきたら、日本も必ず地域から変わっていくのではないだろうか。(中村修治)

 →中村修治氏のバックナンバー

著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


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