赤木:もちろんブログだけではなく、新聞やテレビも、自分たちの視聴者や購読者に向けた論調になっている。新聞なんかは「若者が不幸である」ということを取り上げることはあっても、大きくは取り上げない。
ちきりん:しないですね。
赤木:今でも「最近の若者は……」といった論調になっている。なぜ新聞社がそのように書くかというと、読者のウケがいいから。
ちきりん:新聞の読者の中心層が高齢者だからですよね。
赤木:そうです。若い人はあまり読んでいませんから。新聞社もお金を払って読んでくれている人の方が大切ですからね。
ちきりん:そんな新聞に期待しなくても、ネットを使った新しいメディアが「若い人たちは不幸なんだ」と主張していけば、若い層の読者が増えて広告収入が増えていくのではないでしょうか。
一方で、“高齢者向けの新聞”というメディアがあってもいいと思うんですが、これまでは新聞というメディアがあまりにも巨大な存在でした。それが、これからは若者向けのネットメディアが大きくなってバランスがとれてくるのかな、と思うのですが。
赤木:ネットメディアが大きくなるとは思うのですが、新聞とネットメディアが重ならないと意味がないと思います。若者は「新聞を読みません」、高齢者は「ネットメディアを読みません」という壁ができるのはよくない。壁を越える必要はあるのですが、ネットメディアと新聞の中心読者層が違うので、交わることは難しいでしょうね。
ちきりん:昔は多くの人が新聞を読んでいました。なぜかというと新聞が相手にしている層が多かったから。いわゆる平均的な総中流の日本人向けにビジネスをしていればよかった。しかし10年後、いまの20〜30代の人たちが中高年になると、新聞は厳しくなりますね。
赤木:先ほども申し上げましたが、新聞とネットメディアは分断されています。しかも高齢者と若者間だけではなく、同じネット利用であっても若手の現役世代と中高生では、ネットをPCで使うのがメインか、携帯で使うのがメインかで分断されています。私たちの世代はPCを使ってネットを利用している人が多いのですが、下の世代は携帯電話を使っている。
また将来的には携帯電話に代わるメディアが登場するかもしれない。そうするとまた世代によって、分断が起きるでしょうね。
ちきりん:なるほど。
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