新聞を信用できる、できないワケ(2/5 ページ)

» 2010年09月15日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
ちきりんさん

赤木:『週刊少年ジャンプ』に掲載されている漫画をYouTubeに流し、逮捕された人がいました。彼は一銭にもならないのに、なぜそんなことをしたかというと、やっぱり暇だから。つまり労働を引っぺがして、暇になれば「何か書こうかな」という人は必ず出てくると思う。

ちきりん:そうした人たちに期待するにしても、媒体としてはネットメディアに期待したほうが早くないですか? なぜネットメディアでなく、新聞に期待をもたれるのでしょうか?

赤木:現時点で力を持っているのはネットメディアよりも、既存の新聞社だから。もちろんネットメディアが力をつけていけば、新聞社のようなことができるでしょうが。

 既存の新聞社がこれからも存続させるつもりであれば、どこかの段階で若い人向けの情報を流していかないといけないでしょう。そうした意識を彼らが持っていないといけない。

ちきりん:新聞社もそう思ってはいるでしょうね。購読部数が減っている状況で、高齢者向けに書いているだけでは未来がないですから。それでも新聞が、社会から見捨てられている人向けに、書くことは考えられないのではないですか? ワーキングプアの人で月4000円の購読料を支払える人は、ほとんどいませんよね。

赤木:そうでしょうね。

ちきりん:一方、アフィリエイトなどの仕組みであれば支持者から直接お金をもらうことができる。するとワーキングプアの人も自分の意見などを書いて、しかも支持者が多くなればお金を稼ぐことができます。なので「社会的弱者の主張を広める」という観点では、既存のメディアよりもネットメディアのほうに可能性があるような気がしています。

赤木:ただ単純には信頼はできません。なぜなら個人は公的な使命を帯びていませんから。

ちきりん:なるほど。わたしは「新聞が公的な使命を担える」ということ自体に懐疑的なのかも。

赤木:もちろん既存の新聞社やテレビを全面的に信頼しているわけではありません。

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