2025年の太陽電池市場は2009年比5.4倍の8兆9978億円に――富士経済

» 2010年09月15日 13時38分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

 市場調査会社の富士経済は9月9日、太陽電池関連市場の調査結果を発表、2025年の太陽電池市場は2009年比5.4倍の8兆9978億円に成長すると予測した。

 同調査では、太陽電池関連市場を原料、部材、最終製品である太陽電池の3カテゴリーに分け、段階別に技術や市場の動向を分析した。なお、原料は太陽電池向け部材に使用されるポリシリコン、バックシート用樹脂・フィルム、バックシート用接着剤、ペースト用粉体を、部材はシリコンインゴットウェハや基板材、電極材、封止材、表面保護材などを、太陽電池は結晶シリコン型、薄膜シリコン型、球状シリコン型、CIS(CIGS)型やCdTe型などの化合物系、色素増感型や有機薄膜型などの有機系、その他などをそれぞれ対象としている。

 原料では、大きなウエイトを占めるポリシリコンの需給バランスが崩れ価格が急落したことから、2009年の原料市場は前年比14.8%減の4314億円に縮小。ただし2008年半ばまでは原料価格が高騰していたため、落ち着きを取り戻した状態に戻ったと分析している。2010年の見込み値は5158億円で、2025年は2009年比2.8倍の1兆2084億円になると予測している。

 部材も大きなウエイトを占めるシリコンインゴットウェハの原料であるポリシリコンの価格急落を受け、2009年の市場規模は前年比26.3%減の1兆2760億円と大幅に縮小。シリコンインゴットウェハの需要量自体は着実に増加しており、2010年の見込み値は1兆4808億円、2025年は2009年比4.6倍の5兆8695億円と予測している。

 太陽電池も同様に、各部材の低価格化によって2009年の市場規模は1兆6801億円とやや縮小したが、販売価格の下落によって出力容量ベースでは需要は拡大しており、価格の下落を上回る販売ボリュームの増加が期待できることから、2010年の見込み値は2兆1187億円、2025年は2009年比5.4倍の8兆9978億円に拡大すると予測している。

 また、種類別の太陽電池市場規模では、2025年の予測額が最も大きいのは結晶シリコン型の5兆7000億円(2009年:1兆3150億円、2009年比:4.3倍)だが、2009年度比の伸び率が最も高いのはCIS(CIGS)型の26.4倍(2009年:341億円、2025年:9000億円)となっている。このほか、薄膜シリコン型は9倍(2009年:1355億円、2025年:1兆2200億円)、CdTe型は3.1倍(2009年:1950億円、2025年:6000億円)となった。

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