経済指標に強弱感は見られるが景気回復鈍化懸念も薄れて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年09月17日 08時35分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10594.83△22.10

<NASDAQ>2303.25△1.93

<為替:NY終値>85.77-85.83

経済指標に強弱感は見られるが景気回復鈍化懸念も薄れて堅調

 朝方発表された新規失業保険申請件数は予想を下回り約2カ月ぶりの低水準となり、雇用の好転が見られました。一方でフィラデルフィア連銀の景気指数は前月より改善はしたものの予想を下回りました。景況感が対立、景気回復鈍化懸念は薄れてはいるものの、力強い回復が見られるわけでもないということで利益確定売りや見切り売りを急ぐような場面も見られました。ただ、個別の企業業績を見ても、利益見通しが予想を下回ったとして売られたものでも、決して決算が悪いわけでもなく、逆に好材料にも大きく反応するものも見られ、全体として底堅い展開となりました。

 まだまだ強気ににはなり切れないということなのでしょうが、一時期のような極度に悲観的な見方ではなくなっており、センチメントは好転しているものと思われます。経済指標も個別企業の収益動向も好調なものも見られ、また住宅関連の指標などが気になるところでも追加の金融緩和期待や経済対策期待もあり、底堅さは見られるものと思います。雇用や個人消費の指標には好転しているものも見られ、住宅指標に好転の兆しでも見られれば上昇が加速されることになるのでしょう。

 個別にはフェデックスが発表した利益見通しが予想を下回ったことが嫌気されて大幅下落、不動産調査会社が8月に差し押さえ手続きにはいった住宅が前月から増えたと発表したことが嫌気されて、DRホートンやKBホームなど住宅関連銘柄が軒並み軟調となりました。金融株はJPモルガン・チェースが小幅高、シティグループが堅調、バンク・オブ・アメリカは軟調と、まちまちとなり、景気敏感銘柄もGE(ゼネラル・エレクトリック)が堅調となったもののキャタピラーやアルコアは軟調となるなど、手仕舞いの売り買いの差で高安が決まっているようで、まちまちとなりました。フォードが投資判断の引き上げを受けて大幅高、インテルなどハイテク銘柄は配当期待などから買われ、総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や海外での為替の介入を好感して買い先行となりました。外国人も買い越し基調ということで、大幅高の始まりとなったのですが、じりじりと円高に振れ、前日の大幅高の反動もあり、利益確定売りや見切り売りもあって軟調となりました。底堅さも見られ、節目と見られる9500円水準は保ったものの、為替の介入が見られてもまだ相場の先行きには疑心暗鬼ということのようです。

 米国市場が底堅いことや為替も落ち着いていることから堅調な展開が期待されそうです。ただ、3連休を控えた週末ということもあり、積極的に持ち高を増やし難く、先物などにはヘッジ売りも出易く、上値も限られそうです。手仕舞い売りが嵩むようであれば軟調となる場面もあるものと思います。米国でもハイテク銘柄に高いものが多かったのですが、為替の落ち着きもあり、ハイテク銘柄などの売られ過ぎの修正が終わっていないような銘柄は堅調となりそうです。大手電機が復配を発表したことで、日本でも 米国同様に配当に着目した動きもありそうです。

 昨日も為替の介入がなかったことから、軟調となる場面もありましたが何とか9500円水準を保ったということで、底堅さも見られるものと思います。9500円〜600円水準が上値となってしまうのか、底値となるのと言うところですが、上値となってしまうにしても、9200円〜300円水準での底堅さを確認して戻ってくるのでしょうし、底値となって上値を試す展開となっても9800円〜900円を試してから、再度9500円〜600円水準での底堅さを試すことになるのでしょう。本日は9500円台での動きが中心となって来るのではないかと思います。

本日の注目点

◇8月の全国粗鋼生産(鉄鋼連盟)

◇8月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会)

◇4−6月期の資金循環統計(日銀)

◇9月の米消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)

◇8月の米消費者物価指数(CPI)

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