世界的な景気回復を織り込むように堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月04日 07時39分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>10829.68△41.63

<NASDAQ>2370.75△2.13

<為替:NY終値>83.21-83.27

世界的な景気回復を織り込むように堅調

 中国の経済指標が好調ということでドル安効果を好感し、朝方発表された個人消費支出が予想を上回るなど堅調な経済指標もあって、買い先行となりました。ISM製造業景況感指数は芳しいものではなかったのですが、欧州金融不安も薄れ、信用収縮懸念も薄れていることから、売り急ぐ動きもなく、週末の買い戻しもあって、総じて堅調となりました。逆に週末ということでヘッジ売りや手仕舞い売りも見られ、上値も限定的となりましたが、強含みの展開が続いていると見られます。

 センチメントが好転していることで芳しくない経済指標の発表があっても反応が鈍くなっています。信用収縮懸念や金融不安が薄れていること、ドル安効果での経済指標の好転などに素直な反応となっているものと思います。金融緩和期待もあり、芳しくない経済指標でも特に悪材料視もされず、市場の雰囲気は悪くないものと思われ、金価格の上昇も「安全資産への逃避」と言うよりは投機的な資金や将来のインフレ期待から買われているような感じです。

 個別には収益に厳しい見方も見られるなかで、金融不安が薄れたことでシティグループが大幅高となり、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど緊急株は堅調となりました。原油や金先物価格が高く、エクソン・モービルやシェブロンなどの石油株、パブリック・ゴールドやニューモント・マイニングなど金鉱株も軒並み堅調となりました。ハイテク銘柄や景気敏感株は週末の手仕舞いの売り買いが交錯、インテルやIBMが高く、アップルが安い、キャタピラーが軟調でアルコアやGE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調とまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は目先の持高調整の売り買いなどに振らされて乱高下となりましたが、方向感は見られず、小幅高となりました。月初の売買でしたが、米国での主要な経済指標の発表を控えた週末ということもあり、前日の大幅下落の反動で堅調となったものの方向感は見られませんでした。物色対象も物色の方向性も見えず、同業種の中でも高安まちまち、円高メリット銘柄も円安メリット銘柄もない、というような展開でした。

 先週末の米国市場が堅調となったことから日本市場も底堅い堅調な展開となりそうです。為替次第と言うことなのでしょうが、対米ドルでは円高気味ですが、ユーロでは円安となったことや介入期待も根強く、円を買い難くなって来るのではないかと思います。9月までの業績動向を気にする動きになって来るところで、為替の影響がどの程度出てくるのかが気になります。ただ、米国でも二番底懸念は薄れ、新興国でも順調な経済の拡大は期待され、為替さえ落ち着いて来れば、改めて好業績を見直す展開となって来そうです。

 日経平均は引き続き9500円〜600円水準が上値とし、下値を9200円〜300円水準での動きとなりそうです。米国に続き日本でも介入期待や金融緩和期待も根強く、底堅さは見られるものと思います。介入や金融緩和に対しての失望感が出ると大きく売られることになるのでしょうが、当面は9200円〜300円水準では底堅さも見られるものと思われます。円売り介入が見られても、円安傾向に転換しないと上値も限られそうです。

本日の注目点

◇9月のマネタリーベース(日銀、8:50)

◇10月の日銀当座預金増減要因見込み(8:50)

◇6カ月物国庫短期証券〔141回〕入札(10:20)

◇8月の毎月勤労統計速報(厚労省、10:30)

◇日銀政策委・金融政策決定会合(5日まで)

◇アジア欧州会議(ASEM)首脳会合(5日まで)

◇8月の米製造業受注

◇8月の米仮契約住宅販売指数

◇上海深セン市場が国慶節で休場(7日まで)

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