あなたの給料の対価は何ですか?ちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2010年10月18日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

マネージャー、課長、部長

(1)判断の対価……50%

(2)組織管理の対価……30%

(3)仕事実務への対価……20%

 いわゆる“管理職”になると、給料の意味は一気に変わります。

 通常業務がうまくいっている時は、平社員だけでも仕事は回ります。管理職の重要な責務は、非定型なことが起こった時に判断することです。

 平社員なら「大変なことが起こりました! どうしましょう!?」と言えますが、この立場では「それは大変だ! よし、こうするぞ!」と決めないといけません。

 トラブルや突発事項など「何があっても、何とかする」のが仕事であり、「逃げない」ことが最も重要です。だから、“自分スタイルの何とかするやり方”を習得しないとつらくなります。反対に、どんな時にも社長や役員から「何とかしておけ」と言ってもらえるようになれば立場は安泰です。

 仕事実務(作業)の割合が低くなるのがこの時期の特徴で、そのため、下からは「部長は何をやっているんだろう?」と思われたりもします。

経営者(取締役)

(1)資源配分への対価……50%

(2)結果責任を負うことへの対価……50%

 経営者も“判断”が仕事ですが、その判断は特に“資源配分に関わる判断”に集中しています。

 手元のお金をどの事業に突っ込むのか、優秀な人材にどのビジネスを任せるか、切り札となる技術をどう利用するか、次の1カ月にやることの優先順位は……など、時間や金、技術や人など企業が持つ、限られたリソースの使い道を決めるのが経営者の仕事です。

 また結果責任を負うことも経営者報酬の対価です。業績が悪ければ職を追われますし、欠陥商品や事故、違法行為などについても、自分の指示かどうかによらず責任をとることが求められます。

 何かあった時に役員以上の人が「最善を尽くした」と開き直ると世間から叩かれるのも、この立場になればプロセスではなく結果に責任をとる必要があるからです。

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