個別の決算発表に反応し、まちまちの展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月25日 08時54分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11132.56▼14.01

<NASDAQ>2479.39△19.72

<為替:NY終値>81.42-81.48

為替動向をにらみながら個別の決算発表に反応し、まちまちの展開

 先週末の米国市場はG20での為替政策をにらみながら、為替動向を気にしながら、個別の決算発表に反応する動きとなりました。商品相場などもまちまち、注目された経済指標の発表もなかったことで、週末の手仕舞いの売り買いや個別の企業業績、投資判断などに振らされました。好決算を発表しながらも内容への懸念から売られるものも見られ、材料出尽くし感が強まるものもあったのですが、全体としては底堅く、堅調な展開となりました。

 いったん懸念された金融不安も特に取り沙汰されることはありませんでした。続々と発表される決算はドル安効果や金融緩和効果もあって堅調なものが多く、金融緩和期待も一服となったのですが、逆に好調な企業業績が雇用や個人消費の回復にも寄与してくるのではないかとの期待もあるようです。いずれにしても市場のセンチメントは悪くなく、好決算ながらも金融緩和期待を萎ませないように、悪いところを探して売り材料として取り沙汰するような場面も見られたのですが、景気も株価も先行きへの不安は少ないものと思います。

 個別には好決算を発表しながら週末の手仕舞い売りもあってアメリカン・エクスプレスやベライゾン・コミュニケーションズは軟調、キャタピラーやホーム・デポなども利益確定売りに押されて軟調となりました。アマゾン・ドット・コムは前日の引け後の決算発表を受けて時間外取引で売られたのですが、投資判断の引き上げを受けてこの日は堅調となり、新型の多機能携帯端末を発表したHP(ヒューレット・パッカード)が堅調、シスコシステムズも堅調となりました。ただ、インテルやIBMなども利益確定売りに押されて軟調となるなど、総じてまちまちとなりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円高一服を好感、週末の持高調整の売り買いが中心となるなかで堅調ながらも方向感のない展開となりました。為替が円高気味ではあったのですが、特に材料視されることもなく、週末のG20の結果を見極めたいという動きから、方向感のない展開となりました。好決算を発表するものや好業績が期待されるものも多く、総じて堅調なのですが、積極的に買い上がることもなく、上値も限られました。

 週末の米国市場は引き続き底堅い堅調な展開が続いていることに加え、G20が終り、円高一服となることが期待されて、日本市場は堅調となりそうです。世界的に日本株の出遅れ感が強いこともあり、為替さえ落ち着いてくれば割安感を見直す動きも出てくるものと思います。加えて週末のヘッジ売りの買戻しや決算発表の本格化を前に割安感を見直す動きも期待され、底堅い堅調な展開が期待出来ます。足元の業績が好調ながらも為替などの先行き不透明感から買いが見送られていたようなハイテク銘柄や機械株などの見直し買いは見られるものと思います。

 日経平均は引き続き今週も決算動向に振らされながらも9200円〜300円水準での底堅さと9500円〜600円水準での上値の重さを確認することになりそうです。好決算期待が高まり、円高一服となって円安方向に振れるような展開になれば、9500円〜600円水準の節目を抜けて、次の節目である9800円〜900円水準を目指すことになるのでしょう。

本日の注目点

◇9月の貿易収支

◇9月の米シカゴ連銀活動指数

◇9月の米中古住宅販売

◇4−9月期決算:JSR(4185)、カゴメ(2811)

◇9月と4−9月の自動車各社の生産・販売実績

◇5年物の米インフレ連動国債入札(銘柄統合)

◇バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長講演

◇ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演

◇スウェーデン中央銀行が政策金利を発表

◇海外7−9月期決算:テキサスインスツルメンツ(TI)

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