森美術館、2011年の企画展は?(2/2 ページ)

» 2010年11月09日 08時00分 公開
[上條桂子,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
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「イ・ブル展」

2011年11月26日(土)〜2012年2月26日(日)

エキサイトイズム イ・ブル「アマリリス」(「アナグラム」シリーズより)1999年 210×120×180センチ Courtesy: PKM Gallery | Bartleby Bickle & Meursault

 毎年3本の企画展のうち1本を個展にしているという森美術館の2011年の個展は、韓国人アーティスト、イ・ブルの展覧会を行う。シャネルモバイルアートでのガラスを使った美しいインスタレーションが記憶にある人も多いだろう。国際交流基金、東京都現代美術館などでも彼女の作品は紹介されている。今回は20年間にわたる創作活動を紹介する初めての個展になるという。

 初期の、パフォーマンスをソフトスカルプチャーを融合させた作品にはじまり、アーティスト自身の身体を拡張させた未知の生命体「モンスター」、「サイボーグ」などの彫刻シリーズ。未来都市やユートピア的な都市「モン・グラン・レン」シリーズなどを展示。作家の多層的な思想や本質を問う考察、哲学を浮き彫りにする展示を予定している。

 MAMプロジェクトは、シンガポールで活躍するホー・ツーニェン。

エキサイトイズム ホー・ツーニェン「ニュートン」2009年 HD4分16秒 Photo Courtesy the artist and Osage Gallery, Hong Kong

 南條館長は会見の中で、森美術館の展覧会の方向性について、「アジアのアーティストに光を当てる」「ジャンルにとらわれない表現活動を紹介する」ことについて語り、2012年の方向性として中近東のアートを紹介すること、会田誠氏の個展を推し進めていることなども発表された。

 また、美術館の文化アウトリーチ活動の1つ「アージェント・トーク」の取り組みについて発表。アーティストやアートを取り巻く有識者のトークショーを不定期に行うという。新しいアートや表現行為についてのディスカッションの場になりそうだ。

 そのほか、アートと観客と地域を結ぶ「六本木アートナイト」の試みなど、美術館として新しい試みをし続ける森美術館の取り組みに今後も注目したい。

お問い合わせ:森美術館 03-6406-6101


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